僕らの生きる道

□It's showtime.
1ページ/3ページ

(視点:黒木)





「ハッ、鈍過ぎ」

足元に転がる人を見て嘲笑う

久しぶりの感覚に、俺の中の血が疼くのが分かった

最近は椎名にいて、平和なことが多かったから

こんな前線で戦うなんてことはこのお兄さんの騒動でも実は初めて

ずっと司令部の方にいたから、危うくこの感覚を忘れるところだった

血が疼く…、鉢屋先輩に言わせると、俺は根っからの戦闘タイプ

しかし普段はみんなに指示をする側に回ることが多い

だから普段溜め込んでいる分質が悪く、特に一人称が俺の時は最悪

暴走、とまでは行かないが、本能のままに戦ってしまうこともしばしば

まぁ今はそれで好都合

容赦なんてするはずないし、手加減なんて必要ない

思うがままにやっても構わない場所にいるのだから

「庄左、1階はもう平気そうだ」

「了解。じゃあ上に行くけど……、何で乱太郎はボロボロに?」

「カラクリコンビニ巻き込まれました」

きり丸の報告を受け辺りを見たときに視界に入って来たのは、ボロボロの乱太郎

何で上手く避けてくれてるはずの兵太夫達のカラクリに引っ掛かるのかな

なんて思うけど、そこはやっぱり乱太郎だから仕方ないか

「…………?」

「どしたの、きり丸?」

静かになった廊下を見回し、首を傾げるきり丸

乱太郎は分かってないみたいだけど、多分きり丸と考えていることは俺と同じ

「気付いてるんだろ、庄左」

「この不自然な程の静けさ、だろ?」

「変だよな?」

「ご名答。流石は大川の卒業生だな」

階段の踊り場から此方を見下ろしている2人組の男女

喋っているのは男の方で、黒スーツを着ていて両手に銃を持っている

一緒にいる女は動きやすそうなパンツスーツで、無表情

「実行部隊隊長、間宮ユウだ。ま、よろしくな」

「実行部隊隊長補佐、間宮ユイ」

間宮ユウと名乗った男

それに、間宮ユイと名乗った女

何処かで聞き覚えのあるような、そんな気がした









.
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ