青色の降る場所

□地下人間、南雲萩之助
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『さて、最後は萩之助!』

「南雲萩之助先輩…。一番見つけられない人ですね」

「俺も同じ図書委員だけど、滅多に見ねーっす」

庄左ときり丸の言葉

確かに、萩之助は滅多に人前に姿を現さない

というか、日光に弱いんだよなー、あいつは

だから下級生には会わないかもしれない

夜型人間の潮江先輩とは、よく一緒に鍛練してるけど

「なまえ先輩、萩之助先輩は何処に?」

問うてくるのは、乱太郎

その答えは、だな…

『三治郎、兵太夫。2人は地下にカラクリ部屋を作っているな?』

「はい! もう大分大きくなりました」

「ただ、おかしいんだよね…」

「何が?」

「地下の一部に、謎の空間がある」

『その空間こそが、萩之助の部屋だよ』

俺達が向かっているのは、忍たま五年長屋

その1つで、萩之助と京次郎の部屋

萩之助は地下に住んでいるようなものだから、実質京次郎の一人部屋

『お邪魔ー』

躊躇うことなく、部屋の襖を開ける

ちなみにこの部屋の隣は連聖と藤四郎

更にその向こうが、俺と久兵衛

三年までは俺と藤四郎が同室で、連聖と久兵衛が同室だった

けど、連聖が毒虫が嫌って言うから、俺が替わってやった

「で、なまえ先輩?」

『こっち』

押し入れの襖を開けると、二組あるはずの布団が一組しかない

やっぱり萩之助は地下にいるみたいだ

『よっ、と』

少し力を入れて持ち上げれば、押し入れの床板が外れる

見えるのは、下へ延びる階段

仕掛けは俺にはよく分からんけど、久兵衛が明るくしてくれている

更に下って行くと見えたのは、一枚の扉

そこを開けば…

「……来たか」

『やっほー、久兵衛』

一般的な、長屋と変わらない和室があった

いくつか襖があったり、何やら工具がある以外は、普通の和室

『ここが、久兵衛の部屋。まだまだ部屋はたくさんあるんだぞー』

「……侵入者退治用の罠がある。なるべく大人しくしておいた方がいい…」

無表情で、声は小さく低め

ただ普通に会話が可能なので、中在家先輩よりは楽かもしれない

『萩之助、話は?』

「…聞いている。自己紹介すればいいのだろう……?」

『そ!』

「…五年は組南雲萩之助、図書委員会所属。暗号の解読と製作、武器への細工が得意だ…」

『萩之助はは組の中で一番手先が器用で、俺等の要。武器製作が連聖で、その武器に細工をするのが萩之助なんだぞ』

そう!何を隠そう、俺等の武器は全部組内で作ってるのだ!

連聖は家が鍛冶屋だから苦無とか作れるし、萩之助は細かい細工が大得意

この2人のお陰で、は組が戦闘クラスでいられるんだな

「萩之助先輩、カラクリも得意ですか?」

「…一応な。罠を仕掛ける時に使うから…」

キラキラしているのは、やはりカラクリコンビ

こりゃ萩之助、気に入られたな

「……いつでも来るといい。色々教えてやる」

日光は苦手だけど、実は後輩が好きな萩之助でした!













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