青色の降る場所
□先輩と後輩
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なまえ先輩は、読めない人だ
なまえ先輩だけじゃなく、五年は組の人みんな
他人と積極的に関わって、人の心の中には土足でずかずか入り込んで来る
そのくせ、僕ら他人には城壁のようなもので中には入れさせない
一定の距離感は保とうとしている
「―…って気がするんですが、どう思います? 立花先輩」
「…いきなり何だ、喜八郎」
「まぁ正直に言いますと、保健委員なのに不運じゃないなまえ先輩が憎たらしいだけです」
「………」
だってなまえ先輩だけは蛸壺にはまってくれないんだもん
他の保健委員はほぼ確実に仕留められるのに
「あー、まぁ、何だ…。あいつらは、特殊だからな」
「随分と濁しますねぇ」
「お前こそ今日はやけにつっこむな」
「だってなまえ先輩だけ蛸壺にはまってくれないから」
お前はそればっかりだな、と半ば呆れた顔をする立花先輩
なまえ先輩以外の保健委員はみんな穴に落ちた
でもなまえ先輩だけは助かった
そんな光景を何十回も見ているんだもん
「はぁー…。これはトップシークレットだからな」
そう前置きして、立花先輩は話始めた
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