短編Ⅱ
□抜け出せない輪
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「私、久々知君と付き合うことになったの……」
昨日告げられた、親友からの言葉
私よりずっとおしとやかで女の子らしい親友は、ずっと久々知君に恋をしていた
私はそれよりずっと前から、久々知君のことが好きだった
私の方が久々知君といた時間は長いはずなのに、
私の方が久々知君と交わした言葉は多いはずなのに、
私の言葉は久々知君に届かなくて、親友の言葉は久々知君に届いた
いつからだったのだろう、私の瞳が久々知君を映すようになったのは
「ねぇ、小日向さん。兵助は君の親友と付き合うんだって。だから小日向さんは俺と付き合わない？」
あぁ、また今日も彼、尾浜君が来た
私は尾浜君に告白されること数回
今まではいつも久々知君が好きだから、で断っていた
でももう、それは通用しなくなってしまった
こんな日が、いつまで続くのかな
抜け出せない輪
何となく五年て三角関係の泥沼が似合うと思う
雷蔵と三郎でも似合う