短編U

□立ち入り禁止区域
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高等部普通科教室棟屋上

漢字で書くと長ったらしいその場所は、俺の昼寝スポットだったりする

『次屋ぁ、またお前か』

「あ、絢乃センセ」

『次屋、ここ立ち入り禁止区域だから。しかも今授業中』

俺が屋上で昼寝をしようとすると決まって訪れるのは絢乃先生

今年赴任して来た人で、卒業生だそうだ

しかも七松先輩達の先輩でもあり、変な人だ

先生の癖に偉そうじゃなくた、先輩みたいだし

『次屋の担任が嘆いてたぞ、出席率が悪過ぎるって』

「絢乃先生が担任だったら俺超頑張る」

『嘘だね。私が担任でも変わらないよ』

「いやいや変わるって。俺絢乃先生好きだもん」

『あら、ありがと』

本当に好きなんだけどなー…

絢乃先生が担任ってのも悪くないけど、やっぱ嫌だな

だってここで会えるっていうのが俺の特権みたいだし

『次屋が真面目に授業受けて卒業したら、次屋のこと貰ってあげてもいいよ』

「………は?」

何言ってんの、この人

男の俺なんかより男っぽくて格好良いんだけど

『意味、分かるよな? ま、頑張れよ』

ひらひらと手を振り屋上から出ていく絢乃先生

あの人、本気で言ってんのか…?

まぁでも、頑張ってみる価値はあるよな?



ご褒美は、婚姻で




ヤバイどうしよ小平太!

お、絢乃先輩だ!

あんたの後輩に手出しかけた…!

いいと思うぞ、絢乃なら!

へ?

幸せにしてやればいいだろ!!










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