2

□胸の内が焦げ臭い
1ページ/1ページ

胸の内が焦げ臭い
____________________

タッグになってある人物と戦う時だけ無性に苛々してしょうがない。
お前さんには到底小生の気持ちがわかる訳ないだろうな。
あの金髪で肌を露にし過ぎなあの女のどこがいいんだよ。
あんな女より小生を見ろよ。

***
「やあ、黒谷くん。どうかしたのかね?」
いつもと同じ余裕な表情をしていやがる。ほんと、笑いたくなる。
「いや。もう上杉のとこに行くのはやめないかといおうと思ってな。」
そう言ってみると奴は少し驚いた表情をしていた。初めて見た、なこんな表情は。
また苛々とする。あの女の顔を思い出してしまったのが異常にムカついた。
「……え、何で貴公は行きたくないのかね?」
「え、何でってそりゃあ…あ、いや何でもない。」
流石にあの女が居るとお前さんが釘付けになったように名前を呼ぶもんだから、なんて言えない。
そんなことを言ってしまえば嫉妬をしているんだと思われて…あ、いやしてるのか。
バレる訳にはいかない。なんかあれだ。わからないが嫌だった。
奴は小生の表情を見ながら「黒谷くん?」だの言っている。矢張り俺の名前は黒田だと言ってやるべきなのか。わからない。
「…ああ、もう何でもねぇよ。もういいから次に行くのは上杉以外な。」
「そうすると我輩がかすがちゃんに会えなくなるよ。」
「いいんだよ、会わなくて。あのかすがとか言うのは上杉が居ればいいんだから。いいだろ、お前さんが会わなくとも。」
不機嫌そうに答えた。そうすると少しだけ拗ねたように頬を膨らませた。
その表情を見るなり少し苛々する。少しムカついたので頬を抓ってみた。
「いひゃいよ、くろた…にくん」
「お前さんには到底小生の気持ちがわかるまいよ。」
「…何をそんなに貴公は怒っているんだ。」
「別に…怒っちゃいねえよ。」
そう言いつつも少し嫌になって。奴を押し倒してみた。そうすると目の前で吃驚した顔をした奴が居る。
可愛かったなんてとてもいえない。自分の物と言わんばかりに痕をつけてやろうと思った。
思い切り首に噛み付いた。「い、痛いよ、」と声を上げた。小生はそんなことも気にせずに血が少し滲むほど噛み付いた。
肩にも噛み付いてやろうと思った。だがそれには服を脱がさなければならない。今はやめておこう。
そして次に手に噛み付いた。自分の口の中に再び徹の味がするのがわかった。その分だけ痕をつけたんだなと実感した。
奴を見れば頬を赤くして片腕で目を覆う姿だった。色んな場所から血が出ている。その姿に何故か興奮した。
胸元に手を伸ばして、一枚一枚脱がして。その細い体を露にして。色んな場所にまた噛み付いた。

__独占欲が強いのも考え物だな。
____________________
(好きだ。)(我輩は嫌いだよ。)(嘘つけ)(嘘じゃないよ。)(狐はいつも嘘ばかりだ)(熊もだよ)

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ