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□これが僕達の愛の示し方
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これが僕達の愛の示し方

「はーい、無視むーし。お疲れ様でしたー。」
「うっさい!黙れよこのデカッ尻!!!」
「阿呆ユダヤ!」
「阿呆じゃない!」

こんな他愛のない喧嘩をするのは子供だから許されるかもしれないけど。

でも大人になったらこんなの恥ずかしいよね。


8−20。

12年の月日が経った。
僕達も二十歳になった。カートマンは相変わらずで。スタンはウェンディと結婚。
ケニーは彼女を探してナンパをしてる。
僕は、有名な大学に行く事になった。そこで法律の勉強をして弁護士になれ、と母さん達に言われた。
別にそれは構わなかったからいいけど。僕だけみんなと違う道に歩んでるんだよなあ。

みんな別々の道を歩むのは予測してたけど。ここまでとは想わなかった。


再来週の金曜日にはスタン達の結婚式に行かなきゃいけないし。いっぱい予定があるんだよね。
「ああ。もう。何でこうなるかなあ。」

プルルル♪

携帯が鳴った。
着信かあ。名前は...ゲッ。カートマンからだ。何の用だろ。

「なんだよ、カートマン。」
「いきなり、その挨拶とはいけすかねぇなカイル?」
皮肉なんだか嫌味なんだかわかんないけど、相変わらずムカつく話したかするな。
「んで、用件なんだよ。」
「カイル。今日の7時30分俺の家に来い。話がある。」
カートマンにしては随分まともな話し方だった。
重大な話なのかもしれない。しょうがない行ってやるか。
「ああ、わかった。」

それだけ言うと満足したのか電話を切る。

ほんっと、あの馬鹿はいつまで経っても馬鹿なんだな。
そんなアイツを心の奥底では「愛してる」と想っている僕が居るのは勿論知ってる。

僕も馬鹿だよね。


あの阿呆ユダヤ野郎に「好きだ」なんて言ったらなんて顔するだろうか。
きっと...いや、絶対に吃驚して赤面するな。

そんなことを考えながら俺は7時30分になるのを待つことにした。

その間、高校でやった勉強を再度復習することにした。
他にすることがないからな。
ゲームはしたいけど、全部クリアしてしまったからやるゲームがない。
漫画は全部読んだ。何もすることがないから復習でもしようと気まぐれを起こしただけだ。
8歳の時の俺なら絶対、ケニーとかカイルを弄りに行くだろうな。
ま、まあ。子供だったんだよ。あの時の俺は...たぶん。

一時間の時間が経った。高校の復習はあっさり終わった。
簡単過ぎて笑える。

しょうがない。寝るか。今は午後の3時。4時間寝てれば大丈夫だよな。
そう想いながら俺は眠りについた。


7時30分。僕はカートマンの家の前に立っていた。
何故か胸が高鳴る。ドクンドクンって打ち付ける。痛いかな、少し。

インターホンを押すとカートマンのお母さんが快く迎えてくれた。
「あら、カイル。エリックちゃんなら二階よ。」そう言って二階を指した。

上がったらすぐそこにカートマンが手を上げて「よう、カイル」と迎えた。

「相変わらずだな、カートマン。少しはまともになったのか?」
「うっせぇ、ユダヤだな。まあ、入れよ。」
そういって奴は手招きをした。

ああ、もう駄目だな。多分。その部屋に入ったらきっと僕は駄目になる。
そんな予感がしたんだ。わかっていたのに、「駄目になったて構わない」一瞬だけそう感じた。

(どうなったって構わないなんて想いたくない。)
誰かの声が聞こえた。でも誰の声かわかんなかった。

でも、もう手遅れ。カートマンの部屋に足を踏み入れた。とたんに腕を引っ張られてベッドの上に押し倒された。
でも、少しだけイラついたから唾を顔面に吐いてやった。
そしたらアイツは「てめぇ」と言って頬を引っ叩きやがった。その挙句首筋に強く噛み付いて僕の服を脱がして行く。

「覚悟してろ。阿呆ユダヤ。」
「上等だよ。このデカッ尻。」

僕達は貪るようにキスをした。

[こんな示し方もありますよね。]

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