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□お前の事情なんか知るか!
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お前の事情なんて知るか! 

お前が帰ってきてからどうしてか、可笑しいんだ。
何でかわからない。

だけどお前が俺以外に傷つけられてる姿を見ると苛々する。

そんな気持ちって何でしょうか?
***************
「鬼丸美輝ィィィィィィ!!!今日こそは勝負しろニャアァァ!」

あー。今日もいつもの朝が始まる。
太田明彦です。今日も朝から俺の親友の勘九郎は今日も鬼丸飯店の美輝ちゃんに決闘を申し込んでいる。
どうせ、俺如きが「諦めろ」なんて言っても諦めやしないからそのまま放置することにした。

そのまま勘九郎は掃除をしている美輝ちゃんのとこに向かって全速力で走っている。
横目でチラリと自分に向かってくるであろう.。。いや。向かってくる奴を見た。
片足を上げ勘九郎の顔面に綺麗な蹴りを入れた。

そのまま奴は気を失っていたようなので、しょうがなく俺の家に寝かせた。

***************
「ん...ぁ。......うわぁっ?!」
勘九郎が目覚めた。予想道理の反応だな。こりゃまた。それにしても可愛いもんだ。
まあ、わかるだろうけど、俺は勘九郎が好きだ。昔からずっとな。
でもそんな俺でも美輝ちゃんに復讐しようなんてしてたなんて知らなかったけどな。
そんなことはさておき。話しかけるか。こっち見たまま放心してるぞ、コイツ。
「勘九郎、いい朝だなあ。」
「明彦?今、何時だニャ」

今か、勿論午後の2時です。なんてとてもじゃないがいえないけど、時計を見りゃ一目当然。言うしかないな。
「午後の2時だ。美輝ちゃんならまだ出前に行ってるぞ。」
「にゃんだとおおぉ!!鬼丸美輝ィィ!!!またしても...。」

なんとまあ、いつものように、目を血走らせて悔しがっているぜ。
いつものことなのに。何でかムカムカしてる。

何でだろうな。ただ、美輝ちゃんに勘九郎を取られる気がした。

「勘九郎」
「ん?」
「お前さあ。美輝ちゃんの事が好きなの?」
「はぁ?!あ、あああ。明彦!?」

思わず口走ってしまった。今思えば何言ってるんだろな、俺は。
勘九郎は赤面して俺の顔をまじまじ見てた。
その反応が気にくわねぇな。なんて想いながら理由を話す。
「だってさ、お前。いつも美輝ちゃんにくってかかってるし。復讐のためとか言ってるけど本当は美輝ちゃんが好きなんじゃね?」
「ち、違うニャ!お、俺が好きなのは...あっ。」
「お前、好きな奴いたのか。初耳だな、美輝ちゃんか?」

皮肉まじりにそう言うと奴はムキになって「違う。」と弁解してる。

じゃあ、誰なんだろうな。なんて想うと「俺だったらいいのに」「俺にしろよ」なんて独占欲なのか願望なのかわかんない感情が脳を襲う。
よくわかんねえ。

「じゃあ、誰だよ?俺か?」
「そ、そんなわ...けないニャ!」
俺の目を見てない。顔は赤面。心拍数が早くなってる。もしかして...なんて。思わず握ってた手を離して、俺は奴を抱きしめた。
何で抱きしめたのかはわかんないけどな。でも暖かくて何でか心地よくて。もっと抱きしめたくなってしょうがない。
勘九郎が真っ赤になって俺の服を少しだけ握ってる。
可愛くてしょうがなくて。狂おしいほどに愛おしいと感じてしまう。このままキスしてやろうかって気分になっちまうけど。
そこまでやってしまったらきっと取り返しの付かないとこまで行ってしまうだろうな。
いや、行くだろうな。それでもいいじゃないか。それでも構わないだろう。なんて想う。だけどそれはたぶん許されない事。
そうだとするならば。それを破りたくなる。そうこう考えてると勘九郎が俺をいきなり力強く押し倒した。

「ちょ、おま...何してるんだよ?」
赤面している奴の目には少々の涙が浮かんでいた。そして俺の顔に自分の顔をどんどん近づける。
キスされると想ったら首筋に噛み付いて、耳元で怒鳴った。
「あ、明彦...。何でさっきから何もしないんだ...にゃ。」
「いや、それは、その。もう戻れなくなったらどうしようとかさ。許されないかもしれないし...その。」

そういうとキレたのか勘九郎が大きな声で怒鳴った。

[お前の事情なんて知らないにゃ!!!]

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