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□世話のかかる部下ほど愛おしいものである。
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世話のかかる部下ほど愛おしいものである。 

「あー!また、やっちゃった...ッス。」

「今度は何をしたというのだ。糸鋸刑事。」

先ほどは私の部屋で紅茶をこぼし。そのまた次は紅茶を拭こうとしたら絨毯を余計に汚し。
今度は何なんだ!

私は見ていた書類から目を離し前を見た。そこで私が見たのは...。
大事なファイルの上にお湯をぶっかけてしまい一生懸命拭いている姿が見えた。
そのファイルは...今回の事件を左右するかもしれない奴なんだぞ...!?

「糸鋸刑事!!!何をしている!それは今回の事件を左右するかもしれない事件のことが書いてあった奴だぞ。」
「アァァ...ごめんなさいッスぅ...。」
「はァ...。今更言っても致し方あるまい。来月の給与予算覚悟しておけ。」

そう言ってやると、「来月はそうめんすら食べらないかもッス」と嘆いていた。
少しばかり罪悪感が。流石に最減給し過ぎただろうか...?

泣きながら必死になって拭いてる刑事を見てると少しだけ笑顔になれた。

「あれ、御剣検事が笑ってるッス!」
「う、うム...何か悪いか?」
そう皮肉まじりに言ってみると糸鋸刑事が額に汗を浮かべながら必死に弁解している。

「別に、怒ってはいないが?」
「え、そ、そうッスか...?」
そんなに緊張することもなかろう。
この刑事は相変わらずだな。可愛いものだな。
糸鋸刑事は掃除を再度再開し始めた。よくまあ、やるものだ。

掃除が終わり部屋は綺麗になった。見違えるように変わったなどとよく言うがこの場合は見違えるように綺麗になった、だな。
「糸鋸刑事。ご苦労だった。」
「は、はいッス!」
「たまにはいいモノをやる。」

そう言ってやると、犬のように飛びついた。
「褒美だ。」

私は糸鋸刑事の唇に自分の唇を押し付けた。
見た目はとても大きく丈夫そうなのだがな。此処は随分と柔らかいようだ。

そのまま私は彼を押し倒し服に手をかけてみた。
その反応はとても愛おしく見えた。

この先は見せられないな。どうやら私は独占欲がとても強い男らしい。

END

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