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□Der Schmerz nicht erreichen, die hots fur Sie
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(Der Schmerz nicht erreichen, die hots fur Sie)(この痛みは届くことのない貴方への恋心)
・笹原完士、入学して「現代視覚文化研究会」に入会。 様々な出会いと思い出と共に一年が過ぎた。
一年経ち、変わったことといえば。「恋」をしたことだった。 
笹原は悩んでいた。恋をしたものの、相手は男だ。それに彼には「春日部 咲」という想い人がいる。
春日部さんには彼氏がいることもわかっているし。 本気だというのも知っている。
だけどそれだけあの人が春日部さんのことが好きだってこともわかっている。 毎日悩んだ。悩んで、決めた。

                       「この恋を諦めようと」
そうしてまた月日は流れた。 
**********
12月。あの人は痩せていて汗とかあまりかかなさそうな割にはかくらしい。
冬の時はいつもハイテンションだもんなー…と笹原は思った。
「あ、笹原君、おはよう」
後ろから声が聞こえた。 振り向いてみると咲の彼氏の高坂がそこにいた。
彼は金髪でとても可愛いと言ってもいい顔をしている。オタクというよりそこに歩いているカッコいいお兄さんだ。
人は外見で判断してはいけないな、と笹原は思った。また、笹原の賢さが1あがった。それと同時に頭の中でドラクエの音楽が流れる。
「あ、ああ。高坂君。おはよう。」
無理に笑顔を作って高坂に笑いかけた。 そして、逃げるかのように早足で部室に行く。
ドアを開くと、そこには愛しい人がいた。
数ヶ月前に諦めたはずなのに、...諦めきれない。春日部さんが好きなのもわかっている。
だけども、...だけども。諦めきれない。こんなにも愛おしい。胸が、鼓動がどんどん早くなる。
頬が熱い。熱くて堪らない。だけど、この想いを伝えた所で、どうなるんだ。この想いは届くわけない。
「おーい、笹原ー?」
...斑目さんの声が聞こえた。
「え、な、なな、なんですか!?」
「なんですかじゃねえよ。 さっきから、ボーッとしてたけど、何かあった?」
斑目は額に汗を浮かべながらそう言い放った。笹原は俯いたまま答えない。
「笹原、おい、笹原ー?」
「......何でもないですよ、心配かけてしまったみたいですね。あは、あはは...」
そういいながら座る。 少しいこごちが悪かった。そんなに、偶然なのか必然なのか、ドアが開いた。
「あれ?笹原と斑目だけ?」
咲は斑目の座っている席のすぐそばに座った。そして二人は仲よさそうに話し始めた。
ガタンッ!!
笹原はひどく怖い顔をして、逃げるようにその場を去った。
そんな笹原の背中をただ、二人は呆然として見つめるだけだった。
ドアを閉めた。そして、小声でつぶやいた。

(神様、この想いはどうしたって伝わらない)

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