BOOK

□No.15
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「キャプテンがね、もう動き回っても大丈夫だから、船内を案内してやれって!!」


『は?』


「クルーにも一応キャプテンが簡単に説明してたから大丈夫だよッ」


『はッ?』


だから行こ行こ!!と上機嫌に私の腕から伸びた点滴を引っこ抜き、手を握って歩き出す白熊。


「まずはお風呂からねッ!!」


楽しそうな白熊を余所に私は、流石大物海賊団のトップは違うなぁ〜。仕事は早いし指示が的確だ…すげ〜。なんて事を呑気に考えてた。


…あぁッ!!そう言えば!!


『…ねぇ、まず船長さんの所に案内してもらっても良い?改めてお礼も言いたいしさッ』


嘘はついてない。本当にありがたいとは思ってるもん。


「え、あー…あぁ…んー…」


すると、さっきまで鼻歌混じりのルンルン状態だった白熊が少し焦って何か葛藤し始めた。


あれ、何か不味いこと言っちゃった?


「今キャプテン…寝てるんだ…昨日新薬を仕上げるとかで徹夜だったみたいで…だから、その…」


モジモジと言いよどむ白熊。


あぁ成る程、まだ寝かせてあげたいのね。あんな俺様船長でも一応慕われてるんだ。


確かに何だかんだ良い人みたいだもんね。


『ふふ、じゃあ後回しでも大丈夫だよ。急ぎの用事って訳でもないし!!じゃ、船内案内よろしくね』


今度は私が、行こ行こー!!とその暖かい手を取れば、白熊はパァッと満面の笑みを浮かべて私の手を握り返してきた。


『なッ?!』


か…可愛い!!なにこの生き物!!



もう少し待ってて



(背中が軽いのは何だか違和感あるけど…まぁ、また後ででもいっか。白熊の手ニギニギ出来るしッ)

(ここがお風呂だよー)

(え、広ッ!!)
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