BOOK
□No.19
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『私も棘のある言い方してごめんッ。私はミラー、ってもう知ってるか。へへへッ、短い間だけどよろしく!!』
私も笑顔で差し出されたその手を握り返す。
「あぁ、よろしくな」
ペンギンさんの手は大きく、暖かかった。
「オイ!!お前いい加減俺の事キャスケット君って呼ぶの止めろよな!!俺にはシャチって言う、カッケェ名前があんだからッ。よろしくな!!ミラー!!」
ニィッと笑ってキャスケット君、改めシャチは私の頭をクシャクシャ乱暴に撫で回す。
『ははッ、ごめんごめん、シャチねッ。よろしく!!』
私も仕返しとばかり、帽子越しにシャチの頭を撫でつけた。結構激しくワシャワシャと。
「ミラーッ、俺も俺も!!俺もよろしくーッ!!」
ギューッと抱きついてきたベポに私も腕を回し、よろしく!!と手触りの良いその身体を抱き締めた。
あぁ…やっぱ肌触り最高!!
実は中身オッサン、なんて勝手に妄想してごめんね。とは、心の中だけで謝っとくね。
改めてはじめまして
(ペンギン!!もう俺達もOK?ねぇねぇ!!)
(あぁ、ミラーなら大丈夫だろ)
(???!)
(ペンギンのGOが出るまで俺達アンタと挨拶以外、会話禁止だったんだよ)
(情が移ると、もしもの時面倒だからな)
(ってかお前のアレ、挨拶じゃなかっただろ!!)
(そうッスよー。ズルいな〜って思ってたんスよねー)
(はぁ?それを言うならシャチの野郎はどうなんだよ!!)
(ベポもだよな!!)
((ん?何が?))
(この2人に“会話禁止”なんて言った所で無意味だろ。その理由を理解しないんだからな…)
(((ズルいズルいー)))
(はぁ…じゃあお前等あの2人を説得出来るのか?いちいち同じ説明を、何度も何度も何度もするハメになる俺の身にもなれ)
(…ペンギンさんって…もしや苦労人?)