BOOK

□No.27
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「あ〜ぁ。大人しくしていれば死ななかったのになぁ〜あの女。オイ戻るぞ!!…オイ?…ッ?!」


“バタンッ…”


呑気に声を掛ける男の言葉に応える事無く、私へナイフを突き刺した筈の男は、口元から激しくゴフッと吐血し、苦しそうに悶えながら私の足元へと崩れ落ちた。


その光景に正面で向き合う男共が言葉を詰まらせる。


…あと5センチ上なら即死だったのに。自業自得だね。


胸に刺さったナイフは男が崩れ落ちると同時に引き抜いたから、向き合う2人の男には倒れた男の影となり、私にナイフが刺さっていたのは見えていない筈。


「おッ!!お前一体何をした?!」


『さぁ…別に何も?コイツが自分で自分の胸にナイフ刺したんじゃないの?』


目の前で起きた不可解な出来事に着いて来れないのか、固まったまま動かないあの一番下品な笑い方の男とは違い…


「ふッ…ふざけんな!!」


そう金切り声を上げ銃を構える君は…まぁ、合格かな。


スッと一瞬で男との間合いを詰め、私へと向けられていた震える銃口に自身の眉間を持って行く。


『しっかりココ、狙ってね。ちゃんと一発で終われるように…』


「ッ?!」


私の眉間へと銃を突き付ける男の手が尚もカタカタ音を立て震えてる。私の言動が理解出来ない様だ…まぁそーだよね。


“ゴクリ…”


意を決した様でトリガーに掛ける指の力を強めた男に、私はソッと目だけで笑いかけた。


男が、え?と面食らった表情を見せた次の瞬間…パァンッ!!と鳴り響いた銃声と共に、男は風穴を一つ、その頭に開け私の視界から消えていく。


それを見届け最後の一人、サーベル男に目を向けると奴は、ば…化け物!!なんて発狂しながら甲板の方へと勢い良く逃げて行った。


『…行っちゃった』


…どこまで小物なんだよ。
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