BOOK

□No.36
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食堂の扉を開けると、ギャーギャー騒ぐクルーの中心でシャチとミラーが何やら趣味の悪い遊びをしていた…あぁ、今日で約束の一週間か。


何してる…?そう困惑気味に尋ねると、元気よくミラーが、女帝ごっこ!!などと答えた…満面の笑みで。


聞くとあの夜の失態を聞いたミラーがシャチを怒ると、アイツがヘコヘコ土下座をしてき…


ミラー曰く、最初は本気で怒っていたが、いつの間にかそのシャチの姿が面白くなり…次第に女帝ごっこへと切り替わったらしい。


…くだらない。


「えッ?!そうだったの?!」


そう驚くシャチは本気でミラーの遊びに応えていたようだ。このドM野郎。


あー面白かった!!そう満足気なミラーや、すっかり不貞腐れたシャチと共に再開されたポーカーへ俺も加わる。


「みんなー、2時の方向に船が見えるよー。まだすげー遠いけどー」


そんな折…そう食堂へ飛び込んで来たのは、今日の見張り番を務めるベポであった。


この悪天候で視界が悪い中、見落とす事無く沖の船まで見付けるベポは流石野性児だ。


「え〜今日は面倒だし、このまま潜行しようぜ〜」


「俺も風邪気味だからパース」


口々にそう愚図るクルーに、確かに何もこの大雨の中交戦するこたぁないか…そう賛同しかけた時だった。


「だよねぇ。何か海軍の船みたいだったし。軍艦じゃないけどさッ」


じゃあ、俺キャプテンに言ってくるねぇ。と踵を返すベポの口から発せられた先程の台詞に、俺は不戦の言葉を飲み込んだ。


そして今にも食堂から出ていかんとするベポを呼び止め、潜行準備に取り掛かろうと動き出したクルーに与える新たな指示…



戦闘だ



(はぁ〜?!ペンギン正気かよ?!)

(俺のビジネスの為だ。付き合え)

(マジかよ…)

(でも、キャプテンが駄目って言うかもよ?)

(俺の頼みだと言え。すぐ了承するさ)

(海軍ッ?私もやる!!アイツ等今日こそは賞金額交渉してやる!!)

(((いや無理だから)))
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