BOOK

□No.4
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「お前があの首刈り?!嘘だぁ!!」


ワラワラと集まりだした海軍を尻目に、キャスケット帽がそんな驚きの声を上げる。真横の私を不躾にガン見しながら。


「マジで?!信じらんねぇ!!」


あーもーうるさいな…これ以上頭に血液持ってかれると、本当身体動かなくなるから。あんま頭使わすなってば。


「うわーマジかー…」


いや何で落胆してんのコイツ。


若干イライラしつつも私は、隣で尚も一人うるさいキャスケット帽を華麗にスルー。


「首刈りってさぁ、もっとこう…ボンッキュッボンッ!のスレンダーなお姉様だと思ってたのによぉ…それがまさか…こーんなチンチクリンだったとはなぁ…」


『…………はぁ?!』


オイちょい待てコラ。流石にその失礼極まりない発言はスルー出来ねぇぞ?!


「はぁー…」


『イヤあからさまにため息ついてんじゃねーよ!』


こんなプリティーキュートな女の子捕まえて何がチンチクリンだ!


『その台詞は私の裸体を見てから言いやがれコノヤロー!私実は脱ぐと多少は凄いんだから!多分!』


「イヤ多分かよ。って、今脱ごうとすんじゃねぇ!お前状況分かってんのか?!」


『訂正しやがれ腐れキャスケット!』


スルースキルが飛んでって、ギャーギャー騒ぐ私達。


そんな状況を見て、最初に声を掛けてきた一番偉そうな海軍の奴が、続きは独房でやってくれ。なんてため息混じりに言葉を寄越した。お断りします!


「こんな小娘が1億7千万、ね…人は見掛けによらんらしいな。首刈りさん」


正義と書かれたコートをなびかせる男の、小馬鹿にしたその口調にイライラMAXな私は思わず舌打ち。


『それはアンタ等が勝手に付けた額でしょ。私は知らないってのッ』


もおー…本っ当、今日は厄日だ!


『ってかアンタ等ッ、私の額は9千6百万なんだから!勝手に値上げしないでよ本っ当迷惑大迷惑チョーー迷惑ッ!!』


海軍共を睨み付け一気にまくし立てる。


肩で息をする私を見てキャスケット帽が、お前怒る所変じゃね?なんて珍獣を見る様な目を向けてきやがった。


「生憎悪党の意見に貸す耳は持ち合わせていねんでね」


私の怒りを完璧無視して本格的に手元の武器を構えだす海軍共…


“ジャキッ”


真っ黒い銃口と睨めっこが始まったその瞬間、私とキャスケット帽は互いに勢い良く顔を向き合わせる事となった。



一時休戦



(キャスケット君、ここは一つ提案があるんだけど)

(奇遇だな、俺もだ。だけど俺の名前はキャスケット君じゃねぇ)

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