BOOK

□No.11
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「あらゆる攻撃をそのまま相手に返す能力、だったか?」


フフフッ。なんて嫌味ったらしく笑いながら、ご丁寧に私の能力を説明するこの男はきっと…全て気付いてる。


「つまりは、お前の頭に銃弾をブチ込めば、逆に自分の頭がブッ飛ばされちまうって訳だ」


それだけじゃないって…コイツ絶対気付いてる。


“ズキッ…”


そう、未だ痛むこの左腕の傷の理由も。


「リスクを犯さなきゃ首は刈れねぇって事は…普段はお前自身も、相手に攻撃を仕掛けれねぇって事か」


便利なのか不便なのか分かんねぇな。なんて涼しい顔で続けるトラファルガーとは逆に、きっと今の私の顔、最悪だ。


この瞬間も…冷や汗が背中を伝ってる。


「で、そのリスクってのは大方…」


『ッ…』


静かに近付く奴の足音に、身体が強張る。


「その過度な貧血と…この傷が関係してるんだろ?」


そう確信めいた言葉を寄越されたかと思えば、次の瞬間、パシッと刺青だらけの腕が私の左腕を捕らえた。


『………』


私は未だ何も言わない。否、言えない…全て正解だから。


トラファルガーもその無言を肯定と捉えたらしく、フンッ。と軽く鼻で笑い、私の腕をポイッと解放した。


「だが、お前の能力は痛みを伴う攻撃のみにしか対応しない様だな。あぁ、あと…身体に有害な事象にも有効…」


だよな?ってまたあの笑い方。全てを見透かしてるような意味深な…しかも今回は心底楽しそう。


コイツ…私が倒れてる間に、治療以外の“何か”もやりやがったな…?


人の身体で遊びやがって。本当どこまでムカつく奴なんだよ。
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