BOOK

□No.17
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「ハグハグ、やっぱり白身魚は美味しいねー」


隣には可愛いベポ。


「ってか何か俺の肉やけに小さくね?!」


斜め向かいにはノー天気キャスケット君。


そして…


「………」


正面には目深に“PENGUIN”と書かれた帽子を被った、威圧感たっぷりの男。


表情はあまり良く見えないけど、圧が…すっごい圧がのし掛かってくるんですけど?!


真横でその重圧を受けてる筈のキャスケット君は、ベポと肉派か魚派かなんて、どーっでも良い内容で口論してる…どっちも旨いじゃん。


でもこのドス黒いオーラを軽く受け流してる彼って、実は凄い大物なのか、またはただの大馬鹿者か…まぁ多分後者だと思うけどね。多分。


「…………」


はぁ…ご飯は美味しく食べたい。


視線は外れているものの、未だに重たい空気を投げ掛けてくる目の前の男を盗み見る。


でも当の本人は、顔だけは涼しげにご飯を食べていた。


そんなあからさまに敵意むき出しじゃなくても良いじゃん…しかもこの人も絶対、ここの船長属性だよ…目だけで一般人殺せちゃうタイプ。


「………」


『………』


ってかもうムリー。私こういう空気苦手ー。


どーにかこの雰囲気を変える方法は…何か…うーん…話題…うーん…


『あッ、そうだ!!』


あははー。我ながらすげー不自然に話を切り出したと思う。声うわずってるし…


とりあえず、とりあえず落ち着こうか私。


“…ゴク、ゴク、ゴクッ”


突然の声に皆が怪訝な表情を向ける中、私は一先ずグラスの水を一気に飲み干した。


ふー…よしッ!!
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