BOOK
□No.17
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『そそ、そう言えば!!私がブッ倒れた時、此処まで運んでくれたっての、あれキャスケット君でしょ?ありがとねッ。イヤ〜本当助かったよマジで!!』
切り出し方は若干不自然になっちゃったけど、お礼を言いたかったのは本当だし…別に良いよねッ。
「あーあれなー…イヤ、あのままお前を放置してったら、確実に俺呪われてたからな…お前に!!」
ビシッと箸を向けてくるキャスケット君は更に言葉を続ける。
「死にかけの女からあんな強気に、呪ってやるー!!なんて言われたの初めてだよ…でも治療したのは全部船長だぞ」
ま〜良かったな、良くなって。そう言って今度は、あの時の私が如何に恐ろしかったかをベポに力説し始めたキャスケット君。
その口元からは派手にご飯粒が飛び出て行っている…汚ねぇな。
「マジ眼力だけで、既に半分呪われたかも!!ってなぐらいヤバかったんだぞ?!」
私は魔女かよバカヤロー。
『はぁ…その治療してくれた船長さんに、半分は運んでくれたキャスケット君に感謝しろって言われてさ。あと、私には人を呪う力とか無いから!!』
私もビシッと指を差しそう言ってやれば彼は、マジでッ?!なんて派手に驚きだした。いやマジだよ大マジ。
「船長そんな事言ってたのか…へぇ〜…そっか…マジか〜」
え、そっち?しかも何ニヤニヤしてんのさ!!気持ちわるッ?!
でも何とか“重たい空気を変えよう大作戦!!”は成功したぜッ!!
「エヘヘ〜、船長がね〜へへ〜」
ノー天気キャスケット君がピンクオーラ全開なお陰で、少しはこの場の雰囲気軽く「ところで首刈り」ならなかった!!ファック!!
『………ッ』
全ての…本っ当全ての元凶野郎と視線が交わったその瞬間、肩にのし掛かる圧が更に大きくなった気が…
『……あーもうッ』
その隠される事も無い剥き出しの敵意と“首刈り”なんて、今の私には虚しく響くこの通り名を呼ばれた事により、勢い良く私の怒りメーターは振り切れた。
反撃開始
(首刈りって呼ばないでくれない?)