BOOK
□No.19
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今日は朝からずっとベポと一緒。
けど…ベポからは私に対する敵意だとか、不信感は全く感じなった。
まぁ、ベポとキャスケット君は最初からあんな感じだったけど…他のクルーからも、特に警戒されてなかったよね私?
いや尋常じゃない視線の数々は有ったけどさ…でも別に殺気だとか、監視されてるって感じは全く無かった。
もしかして…
「…………」
初対面で敵意剥き出しのペンギン帽って、実はこの船唯一の常識人?!
本当、この海賊団の危機管理能力が心配だわ…
って何でこの船と関係ない私の方が、お宅らの身の安全心配してんのよ!!何が悲しくて自分自身への警戒を促さなきゃならんのさッ!!
「はぁ…」
無駄に一人イライラしていたら、ポカーンとアホ面のキャスケット君を余所に開かれたペンギン帽の口。
「船長が…アンタが俺達クルーの誰かを刈る様なことはまず無い。そう断言したからな」
『ッ?!』
「あの人がそう言い切るんだ」
それならそうなんだと思ってる。その落ち着いた言葉に、私は完全に脱力してしまった。
『ははは…』
自分達の船長がそう言うから、それを信じるっての?
まぁ、ペンギン帽は船長さんの言葉全部を信じてる訳じゃないみたいだけど…
それでも私達が食堂へ来るまでの間に、私を見張る様な人の気配は感じなかったし“首刈り”に対して何か警戒してた訳じゃ無いと思う。
それに…この人絶対船長さんの事、凄い信頼してる。
だって船長さんの事話す時、威圧的な雰囲気は変わらなかったけど…目が、その冷めた目元が一瞬優しくなったもん。
『凄い…』
脱力しきって放つ私の台詞に、キャスケット君更にポカーン。
ペンギン帽も、何がだ?と方眉を上げる。
「なになに?何の話?」
俺も交ぜてー。なんてお皿イッパイに新しい料理を盛ったベポがニコニコ戻ってきたけど…
ごめん、君は今完璧スルーの方向で。