BOOK

□No.22
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「なぁなぁ、お前は何で旅してんだ?賞金首でも、海賊って訳じゃないんだろ?」


『海賊では無いけど…でも似たようなモノかなぁ?名を上げたくて海に出たんだし』


「へ〜何で名を上げたいんで?」


『どっかに居る両親に存在を知らせる為!!あと競争してんの、ある奴と。どっちにより高い賞金額がつくかッ』


「ふーん、その為に色々やってきたって訳か」


『色々って言っても、私は無意味に殺しはしないよ?!』


「へ〜、意外だなぁ」


『私が今まで殺ってきたのは、正義を盾に無実の人達を苦しめてた海軍だったり、馬鹿な略奪者だったり…名が売れだしてからは、私を狩りに来た奴等返り討ちにしてただけだし』


「んー?でも競争してんだろー?自分からは仕掛けないのかよー?」


『確かに、名は上げたいけど…でも私は自分の正義は曲げたくないのッ。間違った事してる奴だとか、先に手を出して来た奴にしか私は牙を向けない』


「へ〜、しっかり芯があるんだなぁ」


『誰かを殺るつもりなら、自分も殺られる覚悟がある筈でしょ?でも私、基本痛いの嫌いだからさ。だから私が殺る時はなるべく痛みを与えず刈ってるの』


「はっはッ!!恐ぇんだか優しいんだか分かんねーよお前!!」


『え?!そこは、優しいね〜。でしょ!!』


「「「いや、首刈りなんて通り名の時点で優しさ感じねーから」」」


『あぁ、それはこの私の得物、が?…あぁッ!!』


先程ワラワラ集まってきたクルー達から繰り出される怒涛の質問ラッシュに、一つ一つ受け答えしている最中…私は未だこの背中が軽いままだった事を思い出した。


やべーすっかり忘れてたよ…


どーしよ。そろそろ手元に置いとかないとまた機嫌悪くなっちゃう…でもこの人達放置して行くのも悪いし…


あッ、そういや船長さん起きたかな?


確か船長さんが預かってるって言ってたから、そろそろ取りに…いやダメだ、船長室何処か知らねぇ。


…どーしよ!!
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