BOOK

□No.22
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「調度良かったみたいだな」


私が一人アタフタしてると、何だどうした?って頭に“?”を浮かべるクルー達をかき分け、探し物はコイツだろ?と、ペンギンさんが私の相棒を担いだ姿で現れた。


ペンギンさん…!!あなたはエスパーですか?!


「俺が預かってたんでな。武器は持ち主を映すなんて言うが…良い相棒だ」


『へへッ、ありがとう!!良かったー。そろそろヤバかったんだよね。助かったよ!!ありがとッ』


素直にペンギンさんへお礼を告げ、ベルトに付いたお尻辺りにある革製のケースに刃先を差し込み、牙の根から伸びる麻布を左肩から襷状に右腰のフックに引っ掛け固定する。


これが普段の定位置。


『よしッ』


やっと落ち着いた!!


「ミラーちゃん随分大きな武器使ってんなぁ。使いにくくねぇの?」


『んー?んー、ずっとこれ使ってるからねぇ。もう慣れちゃった!!それに私はこれ以外使う気無いしッ』


へ〜。と納得顔を見せるクルーを確認し、パンッと手を叩き、一旦この場を締め始めたペンギンさんが声を放つ。


「さぁ、お前等話はまた後にして、そろそろ持ち場にもど「なぁなぁ!!ちょっとそいつ俺にも使わせて!!」……」


そんなペンギンさんの言葉を遮ったのはノー天気シャチ。


ペンギンさん大丈夫かな?何か肩が震えてる様な…ってか、え?何で皆そんな離れてんの?


『いや…別に良いけど、この子いっちょ前に人選ぶから、扱い大変だよ?…それよりシャチ?』


「人選ぶって何だよ?え、まさか感情とかあるって事?ちょ、すげーな!!」


『え?いや感情…って言うのかな?ただ首以外を斬ろうとしたら機嫌悪くなって斬れ味ガタ落ちするし、長い事放置すると拗ねて重量増す気がするし。ねぇそれよりシャチ?』


「なんドゥフォゴッ?!」


後ろ…と言いかけたその瞬間、真っ黒い影を落としてたペンギンさんが、バキッ!!と凄い音をたててシャチの後頭部を殴った。


あぁ、だから言ったのに…あ、まだ言って無かったっけ?


ズレたグラサンから白眼を向けペンギンさんに胸ぐらを掴まれて、プラーン…って屍と化したシャチに哀れみの目を向けてたら、ミラー。と急に名前を呼ばれ、思わず背筋がビクッとなってしまった。


「船長を起こしてきてくれないか?ここを出て3つ目を曲がればすぐ分かると思うから」


『ハ、ハイィッ!!』


ビシッと背筋を伸ばして勢い良く返事をし、バビューン!!と急いで食堂を飛び出す。


だって…ペンギンさんのか、顔が……


いや止めておこう。トラウマになりそうだ!!


…うん、忘れよう。そうしよう。



それが身のため



(いつの間にか他のクルーも居ないし!!アイツ等ペンギンさんの怖さ知ってて…駄目だ、さっきの事は忘れるんだった!!え〜っと3つ目を…うわぁ頑丈な扉!!ここですかい)
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