BOOK
□No.25
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夢を見た。
(…じゃあね)
あの時の…
(あぁ…じゃあな)
ジギーと別れた日の夢を…
私は昔からジギーが大好きで、ジギーも私に過剰なまでの愛をくれて…本当大切にされてるって、自覚もあった。
けどただ一つ、私はアイツの戦い方が大嫌いで。
相手に無駄な痛みを与えること無く死なせてあげる…それが私の流儀。
アイツはその真逆。
散々いたぶり、激痛を与えジワジワなぶり殺す。
端から見れば“首刈り”の私も同じに映るだろうけど…他人に何と言われ様が関係無い。私は私の信じるものを貫き通したい。
16歳で一緒に海へ出たが…私から宣戦布告を言い渡し、全く聞く耳持たないジギーを半ば無理矢理に納得させて、私が17歳の時…私達は互いの道を進む事にした。
流儀は違えど、私達は同じ目的を持っている。
(俺とお前、どっちの名が先に世界中へ轟くか)
(挑むところだサイコヤロー!!次会う時まで、絶対死ぬなよッ)
(ミラーこそ、俺が居ないからって泣くなよ?)
(ははッ、ジギーもね!!寂しいからってすぐ迎えに来ないでよ?)
(ハハッ!!お前に野郎の影が見えたら、速攻潰しに行くさ)
大きく手を振り…大きな、大好きな背中を見送る。
少し寂しそうな、いつも私を優しく包みこんでくれてた手に見送られる。
(じゃあなー!!)
いつまでも手を振り続けるジギー。
遠ざかるアイツの腕は、いつまでもいつまでも…大きく弧を描き、休まる事がない。
…いや、いい加減もう良いよ!!
「………ー…」
あれ、ジギーの口が動いてる…?
滲んだ視界の中で、ジギーが私に何か叫んでた。
「ー………ー…」
えッ?なに?!聞こえないッ!!
「ー…ー…」
なに?何て言ってるの?
「ーき…ーて…」
ちょ、舟戻すから待って!!聞こえないよッ!!
「ーて…ーきて…」
待ってジギー!!あと少しで…!!
「ーきて…起きてミラー!!」