BOOK

□No.27
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サーベルにナイフ…おッ、ナイフの野郎は二刀流か。あとは銃…ね。


しっかり相手の得物を確認しながらも、私は背中の相棒を抜き、道を塞ぐ男共に突っ込んだ。


放たれる弾を牙で防ぎながら、手前のサーベル男の間合いに潜り込み、振り下ろされたそのサーベルを素早く2〜3回かわした所で、ナイフ男の元へと移り先程のやり取りを繰り返す。


「クソッ、チョコマカしやがって!!」


「クソアマがッ!!死ね!!」


男共が口々に騒いでる…けどアンタ等本当だったらその首、もうついて無いよ?


スタッと少し距離を置いた場所からそんな冷めた視線を送りつける私は至って余裕綽々。


“ジャキンッ”


で、いたんだけど…


『…わーお』


一番後方に陣取っていた銃男がバズーカ砲を構えだしたのが目に入った瞬間、流石の私も苦笑い。


…こんな狭い所でアレは避けらんないでしょ。


ソレがブッ放される前に叩くべく、私は速度を上げ、担がれたバズーカ砲を下段から思いきり薙ぎ払った。


どんなに厄介な武器を持ってこようが、動きが遅けりゃ話にならない。


「ウガッ?!…クソ!!」


痺れたらしい手元を労りながら銃男が苦々しく見つめる先には、天井に突き刺さった、ボディに凹みの目立つ先程のバズーカ砲。


んー、本当なら斬れてるはずなんだけどなぁ…やっぱお前、首以外は斬りたく無いってか。


一気に不機嫌さを増した相棒に悪態をつきながら振り返ると、肩で息をした男共が何やらご立腹のご様子。


「クッソ、逃げ足の速い女だ」


「チッ!!腕を少し切っちまったぜ…」


「ゲヘヘ…嬢ちゃんよぉ。足は速いみたいだが、戦闘に関しちゃ素人か?その大きな武器は見かけ倒しらしいなぁ。全然斬れてねぇぜぇ?」


ゲヘヘヘヘーって…バーカ、それは本当だったら私が受けてた傷だよ。斬れてないのはそっちだっての。


でも3人で3…いや、4箇所か。全部かすり傷程度とは言え、あんな攻撃流せないなんて…やっぱ鈍ってんなぁ。


『はぁ…ショックだわ』


「ゲハハッ!!俺達に勝てないと分かってショックか?!まぁそう落ち込むな」


「ゲヘェ…顔半分隠してても、中々の上玉だなぁ。大人しくしてるなら命までは取らねーぞ?」


下品に笑い、私を品定めする男共に返す言葉もない。とんだ小物海賊団だこと。


『…飽きた』


「は?」


『アンタ等全然使えないわ。あぁ、もう行って良いよ、君達は用済み』


牙を納めながら、次はどこ行くかなー。なんて考えてたら、テメッ調子乗んじゃねーぞ!!って更に声を荒げられ…うっさいなぁ。


「クソアマ!!やっぱお前はここで死んどけッ!!」


そう叫びながらナイフ男が突っ込んで来る。迎える私の手に牙は無い。


「ガフッ…?!」


次の瞬間、ドンッ!!と男の身体がぶつかって来たと同時に、コイツのナイフが私の身体へ突き刺さった。


不幸にも…心臓のちょい下辺りの位置へと。
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