BOOK
□No.34
1ページ/1ページ
後から聞いた話では、私が寝ている間に凄い時化に見舞われ、皆二日酔いで動けない中ペンギンさんのデスマスクが…うん、続きは止めておこう。
まぁ、とりあえず大変だったらしい。
私、その場に居なくて良かったぁ…なんて安心している所に、ニュースクーがやって来た。
クルーが硬貨を渡し、普段より分厚いその束を持って船内へ入るのを確認し、私もそそくさその後を追う。
食堂へ着くと、先程受け取ったのだろう新聞を静かに読むペンギンさんを余所に、クルーが何やら盛り上がってワイワイガヤガヤ。
「おッ!!ミラーのもあるぞッ。こっち見に来いよ」
そう声を掛けられクルーが回し見している物を確認すると、やはりそこには手配書の束。
『げぇ!!1億7千万のままじゃんッ』
「そりゃお前、一度ついた賞金額は下がんねぇよッ」
楽しそうに笑い、違う話でまた騒ぎ出したクルーから手配書の束を受け取り、食堂を出て真っ直ぐ自室に向かう。
途中ベポから昼寝に誘われたが、今回ばかりは断った。
部屋に着くなりベッドへ腰掛け、手配書を一枚一枚確認…高額賞金首は、相変わらず見慣れた顔ばかり。
するとその中に“新星ルーキー”と種類分けされた束があった。
んー凶悪な奴ばっかだなぁ。コイツなんか3億超えかよ…へぇ、コイツ全然悪人面じゃ無いのに3億ね…おッ、ローの手配書もあんじゃん。
『はぁ…こんな化け物みたいな奴等と同じくくりに自分がいるなんて…本当信じ、あ…!!』
その後も続くルーキー達の手配書をめくっていくと、懐かしい顔と共に…今はもう見慣れた“奴”の名前が飛び込んできた。
『………はぁ』
上がってるよ。あ〜ぁ。
…ってか、能力者じゃなくてこの金額なのアイツ?!あのサイコヤロー、まだ酷い殺し続けてんだろなぁ…
でも、それも全て……
『……むあーッ』
何か無性にムカついたから、その手配書をグシャグシャーって丸めて、ポーイッと部屋の片隅へと投げ捨ててやった。
…ベポと昼寝してこよ。
悔しい
(コンコン)
(ミラー入るぞ、って居ないのか…ん?)