BOOK3

□No.16
1ページ/2ページ



…やっぱり、あのスーパー問題児も能力者かよ。


“ガチャガチャッガチャンッ”


何の能力?ってか、アイツ自身は無傷な訳?もう分かんない!!


激しく頭を抱えながら私が見やる先…そこに在ったのは、先程まで店内に所狭しと置かれていた筈の大量の刃物が、ウジャウジャとスーパー問題児の腕に吸い付いて行き、巨大な塊となってゆく姿。


『もおーッ』


ローは何やってんの?!周囲を見渡し我が船長の姿を探すと、スーパー問題児から少し離れた所で、自身の長刀を地面に突き刺し、何やらその場で踏ん張ってる姿が見えた。


「ッ?!…お前のソレも…アレの影響を受けないのか?」


ローの奴、何であんなに力んでんだ?って不思議に思ってたら、仮面野郎が困惑した声色でそう言ってきた。もう本当意味分かんねぇよ。


『何言ってんの?とりあえず、私達は一時休戦なんでしょ?じゃ、私行くわ』


それだけ言い放ち、ローの元へダッシュ。


『何やってんのさ!!』


ローの隣で私もスーパー問題児と向き合う。


「あの野郎はどうした…」


ローがそう聞いてきたから、一時休戦だとよッ!!訳分かんねぇ!!って悪態ついてやった。


『で、何踏ん張ってんのさ』


チラッと隣を見やり尋ねると、楽しそうに笑いつつも顔に影を作り、奴の能力だ。って、忌々しそうに長刀をグッとまた地面に押し込むロー。


「押さえてねぇと持ってかれちまう」


あぁ〜ね。だから仮面野郎も刃仕舞った訳ですかい。そう私が一人納得してると、前方から、オイッ!!と響いてきた怒鳴り声。


「お前のソレは…何だ?!」


『ソレ?』


巨人族程の大きさになりつつある片腕を掲げ、眉間に皺を寄せたスーパー問題児が睨み付けて来て初めて、私は牙が奴に引き寄せられていない事に気が付いた。


「キッド、胸騒ぎがする。引くぞ」


スタッと身軽な体をスーパー問題児の側にもって来た仮面野郎が何やら慌ててるのは、多分気のせいじゃない。


「クロスロードは能力者だ。普通の攻撃は効かない」


「だから何だ?!随分弱気じゃねぇかよキラー」


「奴の得物を見ろ。お前の能力の影響を受けない…“アイツ”のと一緒だ」


スーパー問題児が私の牙に、その鋭い目を向けてきた。それと同時に響いた、貫禄のある笑い声。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ