BOOK3
□No.16
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…やっぱり、あのスーパー問題児も能力者かよ。
“ガチャガチャッガチャンッ”
何の能力?ってか、アイツ自身は無傷な訳?もう分かんない!!
激しく頭を抱えながら私が見やる先…そこに在ったのは、先程まで店内に所狭しと置かれていた筈の大量の刃物が、ウジャウジャとスーパー問題児の腕に吸い付いて行き、巨大な塊となってゆく姿。
『もおーッ』
ローは何やってんの?!周囲を見渡し我が船長の姿を探すと、スーパー問題児から少し離れた所で、自身の長刀を地面に突き刺し、何やらその場で踏ん張ってる姿が見えた。
「ッ?!…お前のソレも…アレの影響を受けないのか?」
ローの奴、何であんなに力んでんだ?って不思議に思ってたら、仮面野郎が困惑した声色でそう言ってきた。もう本当意味分かんねぇよ。
『何言ってんの?とりあえず、私達は一時休戦なんでしょ?じゃ、私行くわ』
それだけ言い放ち、ローの元へダッシュ。
『何やってんのさ!!』
ローの隣で私もスーパー問題児と向き合う。
「あの野郎はどうした…」
ローがそう聞いてきたから、一時休戦だとよッ!!訳分かんねぇ!!って悪態ついてやった。
『で、何踏ん張ってんのさ』
チラッと隣を見やり尋ねると、楽しそうに笑いつつも顔に影を作り、奴の能力だ。って、忌々しそうに長刀をグッとまた地面に押し込むロー。
「押さえてねぇと持ってかれちまう」
あぁ〜ね。だから仮面野郎も刃仕舞った訳ですかい。そう私が一人納得してると、前方から、オイッ!!と響いてきた怒鳴り声。
「お前のソレは…何だ?!」
『ソレ?』
巨人族程の大きさになりつつある片腕を掲げ、眉間に皺を寄せたスーパー問題児が睨み付けて来て初めて、私は牙が奴に引き寄せられていない事に気が付いた。
「キッド、胸騒ぎがする。引くぞ」
スタッと身軽な体をスーパー問題児の側にもって来た仮面野郎が何やら慌ててるのは、多分気のせいじゃない。
「クロスロードは能力者だ。普通の攻撃は効かない」
「だから何だ?!随分弱気じゃねぇかよキラー」
「奴の得物を見ろ。お前の能力の影響を受けない…“アイツ”のと一緒だ」
スーパー問題児が私の牙に、その鋭い目を向けてきた。それと同時に響いた、貫禄のある笑い声。