BOOK3
□No.24
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「キッド…だから俺は反対だと言ってるだろう」
おッ、これは夢じゃなくても良いよ。反対しまくってくれ仮面野郎。
「うるせぇな…意見を変える気はねぇって言ってんだろ。お前もいい加減諦めろ」
嫌ならその髪切りゃいいだろ。って、その提案に仮面野郎は黙る。拒否してんのか悩んでんのか、仮面のせいで分かんねぇって…
「雑用でも充分だが…お前もそれなりに実力はあるんだろ?普通の攻撃は効かねぇって言ったな…」
一生懸命仮面野郎の心情を読む事に奮闘していたら、腕に何か違和感。なんだ?ってその違和感を確認すると…ナナナ、ナイフが!!
「なかなか面白ぇ能力じゃねぇか…」
ニヤリ、と妖しく笑うスーパー問題児の腕から滴り落ちる血。
人で実験してんじゃねぇよ…ため息を吐き腕に刺さったナイフの刃を握り締め、ギュッ!!と引き抜くと同時に、奴の足元目掛け投げ付けてやった。
「クソッ…酒が無くなった。キラー、新しいの持って来い」
いやお前どんだけ飲むんだよ?!仮面野郎は暫く黙ったまま顔をスーパー問題児に向けていたが、ため息を一つ残し船内に消えていく。
「そんなにトラファルガーの野郎は上手ぇのか」
仮面野郎の姿が完璧に消えると同時に、楽しそうに笑ったスーパー問題児が私にそう言ってきた。
私はそれに答えない。もうこの先、私はコイツの質問に答える気など皆無。
そう…“到着する”までは。
「あの野郎がお前を見る目は、ただのクルーに向けるもんじゃねぇだろ」
尚も奴は楽しそうに続ける。うるせぇな…そんな事聞いてどうするんだよ。
「あの野郎もこんな行儀のわりぃ女が趣味たぁな…ハッ!!面白ぇ!!」
くッ…駄目だ抑えろ私。我慢だ我慢。行儀が悪いのは確かにそうだし…うん、落ち着いてきたぞ。
「幼児体型だしよぉ」
よッ?!…落ち着け。落ち着くんだ…ふッ、私は脱いだら凄いんだよ。テメェには見せてやらないけどなッ!!ふぅ…平常心平常心…
「…ただのガキじゃねぇか」
“ブチッ”
散々我慢したが、奴のこの“ガキ”発言で私の頭の中の何かがブチ切れた。