BOOK3
□No.27
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『…気分は?』
「フフッ…悪くねぇ」
そう笑って私に覆い被さってくる男が、上機嫌に唇を寄せてくる。
シーツの中でじかに触れ合う互いの体が温かい。その体温と程よい疲労感が、ローと一つになった事実を実感させる。
「だが…やっぱり海楼石が要るな」
妖しく口角を上げたローがそんな事を言ってきた。その言葉の続きは…言わなくて結構です。
「毎回あんなゆっくりヤってられるか」
あぁ、言っちゃったよコイツ…
『私は満足だけど?あんなに優しいロー、なかなか見れないし?ふふッ』
半分本当で、半分嘘。反論される前にローを引き寄せ話せなくしといた。
ローは最中…腫れ物でも扱う様に、私を丁寧にじっくりと愛してくれた。
お陰で、一緒になる前から意識飛びかけたからね…何であんなに上手いんだよコイツ。腹立つわぁ。
でも終始私を気遣った感じの律動を繰り返すローは、なんだか少し辛そうだったし…繋がってる時、ローの身体に触れられ無いのは、私も辛い…
(んッ…ロー…!!)
ずっとシーツ握り締めてたもんなぁ…うん、やっぱ海楼石は欲しいね。
「フフッ…海楼石が無きゃ、お前の腰を砕けねぇからな」
前言撤回。やっぱ当分要らないわ。
『でも…海楼石が無くても、ちゃんとローと一緒になれて嬉しい』
ローに跳ね返す事無く、ローを感じる事が出来た。私の身体に残るこの疲労感すら、すごく愛しい…
あんだけ丁寧にヤったんだ、当たり前だろ。って笑うコイツは放置で。
「…完璧に消えちまったな」
ローが私の鎖骨に手をあてがい、ご機嫌悪く舌打ちを漏らす。
『へへへ…海楼石が手に入ったら、私もつけてあげる』
その言葉にローは困った様に笑って、再び唇を寄せてきた。
ローの唇が頬に、耳に、首筋に…至る所に移動して何だかくすぐったい。
再び耳元に来たローに、くすぐったいよ!!と笑ってじゃれあってる所に目に入った壁掛け時計。
『……ッ?!』
その規則的に動く指針を見て、私は慌ててコイツをグイーンッと押し返した…ヤベェ!!