BOOK3

□No.28
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時計の針が日付の変更を告げた頃合い、やっと目的の情報が手に入った。


「はっはっは!!じゃあ、次はあの青二才も連れて来ちゃるけんな!!」


「やだぁ〜本当?いやーん楽しみぃ!!」


「次はいつ来てくれるのー?」


必要以上に明るく話に食い付いている女の質問に、上機嫌で答えるジイさんの声に耳を傾ける。


「そうやなぁ、じゃあ次は……」


一際女達の歓声が明るくなったのを最後に、俺は手元のグラスを空にする。


「…あら、もうお帰り?」


金を置いてカウンターから立ち上がった俺に、女店主が不思議そうな声をかけてきた。


充分飲んだよ。そう軽く笑って店を出ると同時に顔を引き締め、宿に向かって走り出しながら通常スタイルに戻る。


3日後か…ログが貯まるのは明朝。ならば“奴”とはぶつからないな。


船長にあのジイさんの話を聞いた時は戦慄を覚えたが…今回はなんとかやり過ごせそうだ。


宿に戻り直接4階へ向かうと、丁度船長がミラーを抱え部屋に入る所だった。


「船長、ミラーの奴どうかし…酒くせぇ」


何かあったのかと慌てて近寄れば、すぐさま尋常じゃない酒の臭いが漂い…船長は無言のままミラーをベッドに寝かしつけている。


黙って一連の動作を眺めている中、行くぞ。と船長が部屋を出たため、俺はそれに倣う。


「何か分かったか」


廊下を進みながら俺にそう尋ねる船長は、心なしか機嫌が悪いようだ。


「3日後、この島に上陸する様です」


そうか…船長はそれだけ言うと何故か俺とシャチの部屋の扉を開け、そのまま室内へと足を進めた。


「おーペンギン、おかえり」


室内にはダルそうにベッドに横たわるシャチの姿が…その脱力しきっているベッドの主に船長が、その後どうだ。そう声をかける。


「シャチ…何故、そんな事になってるんだ?」


特に変わりは無いッスねぇ。と答えていたシャチの頬についたミラーのマーキングマークを指し尋ねると、ソファーに腰を下ろした船長が今日あったこれまでの出来事を説明してくれた。
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