BOOK4
□No.47
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ズピーッ!!って勢い良く鼻をかんだティッシュを、ポーイッとそこら辺に投げ捨てたと同時に、私を薄い幕のサークルが覆った。
『………ぬはッ?!ロー?!』
あれッ?!何処ここ!!部屋?!いつの間にッ!!
「部屋はお前のゴミ箱じゃねぇ」
拾え。なんてその有無を言わさぬ物言いに、私は先程投げ捨てたティッシュに向かってスライディングダッシュ!!
「全く…涙腺が弛んだか」
ちゃんとゴミ箱へと放たれたティッシュを確認してから、そう言って私の顔を適当に拭うローの顔は、相変わらず呆れ気味。
『…テレポート?』
は?と眉間に皺を寄せ怪訝な顔を向けてきたローに、船に乗り込んだ記憶が無い。と報告。
「はぁ…ったくお前は…」
あれ、バカデカイため息を吐かれたぞ?
「コイツも覚えてねぇのか」
そうダルそうに放つローから、ズイッと突き付けられたのは…ぎょわッ?!クマーッ!!
『い゙、いや!!私、絶対それは腰に提げてやんない!!』
両腕で顔面をガードして、断固拒否!!するとローは面白そうに、フフッと静かに声を出し笑いやがった。
「そんなに拘りがあんのかよ」
一頻り笑い終えたローが、手元のクマを観察しながら寄越したその質問に私はかぶりを振る。
『拘りは特に無いけど…でも流石にそれはビジュアル的にアウトッ!!』
シッシッ!!間抜けなクマを遠ざけようともう必死。私、外では凛々しく気高い女を装いたいの!!
「器は…マスコットじゃなきゃ良いのか」
『良いよ!!ローはそのクマ、刀に提げろって言われたらどうする?!意識が遠退くでしょ!!』
…イヌだろ。そう再度じっくりと観察をし始めたローは、もしかしたらマスコットは嫌いじゃないのかもしれない…マジ?
『くそぉ…せっかく研いでもらったのに…心機一転頑張ろうって時に出端をくじかれるなんて…』
ファック!!と頭を抱える私を余所に、何か考え込んでいたローが不意に立ち上がり、持ち帰った荷物をゴソゴソゴソ…
『あふぉ?!』
そして私の顔面目掛け、ボフッと何やら紙袋を寄越してきやがった。