BOOK4
□No.49
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勢い良くカーテンを開け放つ。うわぁ…何て良い天気なんでしょう!!
所狭しと溢れかえった書物をパラパラ観察。んーッ、難し過ぎて私には無理!!
あぁ………暇だ!!!!
何故?!何故監禁?!何かしたか私?!本当分かんない!!
あッ、分かんないと言えば…さっき来たクルーもペンギンさんも、何か様子が変だったよね?私を見るなりオロオロしちゃって、落ち着き無かったしさ。何だよ私の顔何かついてますか?!
やっぱり鼻毛か!!と、浴室にダッシュ。
鏡で細部まで確認するも…大丈夫、出てない!!でも何か少し、火照ってる?お湯熱すぎたかな…
両手で頬を包み込んで、うーッ。と唸りながらベッドへと戻る途中、足元でガサッと何かが触れる気配がして目線を落とす。
『う?うーッ!!』
そこに有ったのは、あの紙袋。そう言えばローが何か言ってたな。ビー…なんちゃらドラッグ、だっけ?
何だっけなぁ…と紙袋を拾い上げ、ドンッ!!ってベッドに腰を下ろすと、すぐ横で何かがポイーンと跳ねた。
何だ?!ってそちらに目をやれば…そこには、最後ローによって血を注入されたまま放置されていたあの玉が、コロンコロン。
『あれ…?イクラちゃんじゃない』
最初ローに渡された玉は真っ赤だった筈。だけど、たった今つまみ上げたこれは…何だか紫っぽい。
えっと、確か…水分に弱いんだっけな。と、あの時イクラちゃんが弾けるに至った経緯を思い出せば…
“……ボンッ!!”
再び顔に熱が大集合。
…駄目だ、顔洗ってこよ!!ついでにお前も来いッ!!
血色の悪いイクラちゃんを携え冷水でバシャバシャ顔を洗い、水気を完璧に拭き取ってから、脇に置いたイクラちゃんを手に取る。
そして、処理が楽なよう洗面台の中でゆっくり…コイツに水を垂らしてみた。
『…不発?』
しかし、水を掛けども掛けども一向にコイツは弾けない。
まさか唾じゃないと駄目とか?!そう思い、恐る恐る、ペロッ…と舐めてみるも変化無し。
『何だよ不良品か?!全然駄目じゃん!!』
“ブチッ!!”
『………へ?』
使えねぇな!!って思わず指に少し力が入ってしまったその瞬間、何だか嫌な感触が…
『えー…』
その指先を確認すると、そこにはタラーッ…と赤い液体が滴り始めている。
訳が分からない…ナゼだ、何故だ!!お前は何者だ!!イクラちゃんじゃないな?!
急いで手を洗って洗面台を流し、私は慌てて紙袋の元へとダッシュ。
バッと紙袋の中身ををベッドの上にひっくり返し、こぼれ出た玉コロ共をマジマジと確認。
すると、どうやらイクラちゃんには3種類有るようだ。
1つは透明、1つは青みががっており、そしてもう1つは黒っぽい。
確か、透明の奴は水分に弱くて、衝撃に強い…
逆に青は、水分には強くて…衝撃に弱いとか?じゃあ黒はなんだろ…
でもこれ、実は凄い便利アイテムじゃね?