BOOK4

□No.49
1ページ/3ページ



勢い良くカーテンを開け放つ。うわぁ…何て良い天気なんでしょう!!


所狭しと溢れかえった書物をパラパラ観察。んーッ、難し過ぎて私には無理!!


あぁ………暇だ!!!!


何故?!何故監禁?!何かしたか私?!本当分かんない!!


あッ、分かんないと言えば…さっき来たクルーもペンギンさんも、何か様子が変だったよね?私を見るなりオロオロしちゃって、落ち着き無かったしさ。何だよ私の顔何かついてますか?!


やっぱり鼻毛か!!と、浴室にダッシュ。


鏡で細部まで確認するも…大丈夫、出てない!!でも何か少し、火照ってる?お湯熱すぎたかな…


両手で頬を包み込んで、うーッ。と唸りながらベッドへと戻る途中、足元でガサッと何かが触れる気配がして目線を落とす。


『う?うーッ!!』


そこに有ったのは、あの紙袋。そう言えばローが何か言ってたな。ビー…なんちゃらドラッグ、だっけ?


何だっけなぁ…と紙袋を拾い上げ、ドンッ!!ってベッドに腰を下ろすと、すぐ横で何かがポイーンと跳ねた。


何だ?!ってそちらに目をやれば…そこには、最後ローによって血を注入されたまま放置されていたあの玉が、コロンコロン。


『あれ…?イクラちゃんじゃない』


最初ローに渡された玉は真っ赤だった筈。だけど、たった今つまみ上げたこれは…何だか紫っぽい。


えっと、確か…水分に弱いんだっけな。と、あの時イクラちゃんが弾けるに至った経緯を思い出せば…


“……ボンッ!!”


再び顔に熱が大集合。


…駄目だ、顔洗ってこよ!!ついでにお前も来いッ!!


血色の悪いイクラちゃんを携え冷水でバシャバシャ顔を洗い、水気を完璧に拭き取ってから、脇に置いたイクラちゃんを手に取る。


そして、処理が楽なよう洗面台の中でゆっくり…コイツに水を垂らしてみた。


『…不発?』


しかし、水を掛けども掛けども一向にコイツは弾けない。


まさか唾じゃないと駄目とか?!そう思い、恐る恐る、ペロッ…と舐めてみるも変化無し。


『何だよ不良品か?!全然駄目じゃん!!』


“ブチッ!!”


『………へ?』


使えねぇな!!って思わず指に少し力が入ってしまったその瞬間、何だか嫌な感触が…


『えー…』


その指先を確認すると、そこにはタラーッ…と赤い液体が滴り始めている。


訳が分からない…ナゼだ、何故だ!!お前は何者だ!!イクラちゃんじゃないな?!


急いで手を洗って洗面台を流し、私は慌てて紙袋の元へとダッシュ。


バッと紙袋の中身ををベッドの上にひっくり返し、こぼれ出た玉コロ共をマジマジと確認。


すると、どうやらイクラちゃんには3種類有るようだ。


1つは透明、1つは青みががっており、そしてもう1つは黒っぽい。


確か、透明の奴は水分に弱くて、衝撃に強い…


逆に青は、水分には強くて…衝撃に弱いとか?じゃあ黒はなんだろ…


でもこれ、実は凄い便利アイテムじゃね?
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ