BOOK4

□No.59
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“バタンッ!!”


『んへッ?!』


…ん?朝?んー…何か凄いゆっくり眠れた気がするなぁ。


『あれ、チョッパーそんな所で何やってんの?…ん゙ーふわぁッ!!それより、何か凄い音したね』


何かあったぁ?と伸びをしながら私は、何故か壁際にベッタリ張り付いた状態で扉をガン見して、呆然と口を開けっ放しのチョッパーに声を掛ける。


『…チョッパー?どうしたの?』


反応の無いチョッパーに再度、大丈夫?そう呼び掛ければ、ロボットの様にぎこちない動きで私を見やり、チョッパーは何やら口をパクパク…まさかッ…ペンギンさんか?!


『…忘れなさい。それが身のためデス』


スッと手でストップをかけ、さぁ顔洗いに行こうねー。って淡々と借り部屋を出ようとする私にチョッパーが何か言いかけたけど、ハイハイ行くよー。と無理矢理口を塞いで浴場に向かった。


私の腕の中でチョッパーがモガモガ煩いけど、これだけは譲れないわ。絶っ対何があったかなんて聞いてあげないッ。知りたくねぇし!!


『確かこの変に…おッ、あったあった』


浴場に備え付けられてる収納棚の中から新しい歯ブラシを2本取り出して、その内の1本を未だ暗い顔でブツブツ呟きながら怯えてるチョッパーに渡す。


私が歯を磨きだしても、チョッパーは相変わらず動き出さなかったから、仕方無く無理矢理ソレを口に突っ込んでやったら…やっと意識が戻ったみたい。


「ふゃにひゅんら!!」
(何すんだ!!)


『ひゃんらゆっらりひゃふぁらりふぁへーん』
(何て言ってるか分かりませーん)


「ひゃ?!ふぁらんれーひょ!!」
(は?!分かんねぇよ!!)


『らひゃっれひらひぇひょ』
(黙って磨けよ)


お互い歯ブラシをシャコシャコしながら無駄な宇宙会話をしていたら、背後から呆れ気味に声が掛けられた。


『ほ、ひゃひ。ほふはへー』


「分かんねぇよ口ゆすげ」


何だよツレねぇな…疲れきった顔を見せるシャチに非難の目を向け、とりあえず口をゆすいで再度、お疲れー。と言ってあげる。


「本当お疲れたぜ…ベポの野郎…おら、俺汗流してぇから、お前等早く出てけよ」


は?汗?まぁ、確かにちょっと気温上がってるけど…にしてもコイツ、汗だく過ぎじゃね?


不寝番ってそんな重労働だったっけ?そう考え込む私と、やっと顔を洗い終わったチョッパーは何やら機嫌が悪いシャチに、さっさと出る!!って、ポーイと乱暴に放り出されてしまった。


「…お前の船は毎日デンジャラスだな…俺、ルフィが船長で…アイツ等が仲間で良かった」


心底ホッと胸を撫で下ろすチョッパーが、何をそこまで怯えてるのかは分からないけど…この船より良い船なんて無いでしょ。


あッ、住めば都ってヤツなのかな?
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