BOOK4

□No.63
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流石、女の子が居る船は整頓されてるなぁ。って感心して、小綺麗な脱衣場を眺めつつ服を脱ぐ。


いや待てよ…私の船にも女の子いるじゃん!!ワタシィ!!


「ミラーその腕ッ?!…あッ!!ごめんね?!つい声が!!」


そういやあの船で私、女らしい事何もしてねぇ…そう項垂れながら外した左腕の布に隠された、これまでの戦闘傷を見てナミちゃんが息を飲み慌てだした。ロビン姉さんは何も言わず私を見やる。


『あーこれ?あ、別に私自殺志願者とかじゃないからね?!ふふ…これは名誉ある傷なのッ!!』


どういう意味?なんて首を傾げる2人の背中を押して、私は明るい浴場に飛び込んだ。


―――――----


「へ〜アンタ、能力者だったの」


「でも何だか平和な能力ね。敵に回したくはないわ」


3人で仲良く背中を流し合いながら、簡単に私の能力を説明中。


でも今はそんな事より…この2人…何でこんなにナイスバディなの?!何食ったらそんな身体になれますか?!


私が自身の胸に手をやりながら落ち込んでいると、ロビン姉さんがそっと、あなたも充分あるわよ。って言ってくれた。


うん…2人が異常だと思いたい。いや、思っておこう…自分のために。


「で、喧嘩の原因は?」


そう言ってズイッと爆乳を向けてきたナミちゃんと、妖艶な仕草で髪をゆすぐロビン姉さんに何だか悲しくなりつつ、あの日起きた出来事を掻い摘まんで説明。


『まぁ、私が悪いんだけどね。でも何であんなに怒ったのかなぁ…』


チャプン…とタオルを頭に乗せ浴槽の縁に腕を預けて考え込む私を余所に、ロビン姉さんは面白そうに笑い、ナミちゃんは呆れた様に頭に手をやりだした。え、なに?


「ふふ、随分と独占欲の強い船長さんなのね」


「はぁ…どうせそのキスって、可愛らしいモノじゃなかったんでしょ?あーヤダヤダ。単なるノロケじゃない」


やめよヤメ。つまんないわ。ってため息を吐かれて、私は呆然ポカーン状態…


なに?2人にはローが怒った理由が分かっちゃったの?この話だけで?…この船にもエスパーが…


…ノロケなの?そう困惑した顔をする私にナミちゃんは、本当に分からないの?!って目を見開き呆れ顔。いや、あの…頭悪くてごめんなさい。


「うふふ…船長さんはミラーちゃんの可愛い顔を、他の人に見られたくなかったんじゃないかしら?」


頭を悩ます私に、ロビン姉さんが優しく答えをくれる。


えっとつまり、それって…嫉妬ってやつ?ローが?…マジ?


「喧嘩中にも関わらず、同じベッドに潜り込むなんて…どんだけアンタにハマってんのよ」


幸せ者め!!何故か怒ったナミちゃんが、私にバシャッ!!とお湯をかける。


「ねぇロビン!!ミラー使ってハートの海賊団ゆすらない?!良い金になると思うのよねッ!!」


「無理よ。その前にミラーちゃんに逃げられちゃうわ」


楽しそうに話す2人の会話は最早、私の耳に届いていなかった。
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