BOOK4

□No.71
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「なぁ〜船長って、いつ鍛練してんだ?普段全然本気出さねぇくせに、また一段と強くなってるしよぉ」


島の岸に船首を突き刺して直立してる、今の今までちゃんと船らしく海面に居たアレの成れの果てを眺めながら、俺が疑問を漏らす。


「さぁな…それより動けシャチ。サッサと終わらせるぞ」


やっぱ船長はスゲェよな〜。って感心してたら、眉間にすんっげー皺寄せたペンギンに急かされた。何でコイツこんな機嫌わりぃの?


俺は帆の確認をするペンギンを尻目に、あられもねぇ姿を晒すあの船に再度目をやる。


(俺がやる)


現れた海賊船を前にして、船長がそう言ってからは本当あっという間。


サークルで相手の船覆って、撃ち込まれた砲弾と海に漂うさっきの空樽入れ替えて、クイッて指動かしたと思ったら…船体浮いて、ボーンって岸にくっ付けちまうんだもんよ。


船員は船から抜き取ってバラした後、すぐ海に捨てちまうし…やっぱ俺、船長に敵う奴なんざ想像出来ねぇや。


「おら、いつまでボケッと突っ立ってんだ。動けって言ってんだろ」


えへへ〜。って自分の世界に入ってたら、思いっきりペンギンの蹴りが鳩尾に…い、今入った…ミラクルヒット…


「2人が戻って来たら出航する。早く準備を済ませろ」


そう言って手元のエターナルポースに目をやるペンギン。


「それ、どこ指してんだ?」


船長が、最早船として機能してねぇあの船から最後に抜き取ったブツ…船長は次のログに沿って進む気はねぇらしい。


(麦わら屋が戻る前に進むぞ。奴等と同じ航路なんざ御免だからな…)


「ビョウ…聞かねぇ島だ。次は上陸出来る島だと良いがな」


何故か遠い目をしたペンギンが、ボソッとそう呟く。そんなに陸地歩きたかったのかコイツ?珍しい。


でも、確かにそろそろ戻る頃かもなぁ〜。って船長とミラーが向かった麦わらの船を見やり、準備すっかな!!と船内に向かおうとしたら、またペンギンが声を掛けてきた。


何だよせっかく人がヤル気になった所に水差しやがって!!なんてプリプリしつつ、顔を向ければペンギンは難しい顔で甲板の柵に手を這わせてる。


ん?と目を凝らせば、其処にはさっき俺のジャックナイフが作った傷が…やべぇ怒られる?!
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