BOOK4

□No.72
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「野郎共ッ!!無事元気に舞い戻って来た俺等の大事な、そんで俺の大事な妹であ『カンパーイッ』えーまだ俺喋って「「「カンパーイッ」」」えー?!」


シャチの乾杯音頭を遮り、皆と酒瓶をぶつけ合う。なげぇんだよ!!


『っぷはー!!皆と飲むお酒って、何でこんなに美味しいんだろ!!』


まだ全然飲んでないにも関わらず、気分は既にホロ酔い状態。


「お前の居場所は此処にしかねぇって事だろ!!」


「僕、ミラーちゃんが心配で全然ご飯が喉を通らなかったんだよ?!」


「嘘つけお前!!ガンガン食ってたじゃねぇか?!だがミラーは寂しくて泣いたりしてたんじゃねーの?」


あははー…ニヤニヤ笑いかけてくる皆には言えない…実は結構楽しんでたなんて…絶っ対言えない!!


『な、泣きはしなかったけど…ずっと皆の事考えてたよ?!今頃何してんのかなぁ〜って』


それも一瞬忘れてたけど。ごめんね皆。


「っか〜泣かせてくれんじゃん!!」


「トータルバウンティ6億以上の船に拐われた時は、本当どうしようかと思ったけどな!!」


無事で良かったぜ!!そう笑い、好き勝手酒を飲みかわし始めたクルーを眺めながら、私も再度酒瓶に口を付けようとし…ギョッと顔を歪めた。


『うげ?!うわー付いちゃったよ…』


半透明の酒瓶、その飲み口にベットリついた赤…ナミちゃん、凄い色の口紅塗ってたんだな…


普段化粧なんて、余程の事が無い限りしないから…全然意識してなかったよ。


崩れた化粧程、醜いものは無いよなぁ…って苦笑していたら、パフッと何かが口元を覆った。


『ふぉぐッ?!』


「…中々しぶといな」


軽く舌打ちをしてまた数回、私の唇に手拭いを押し当てるのはペンギンさん。


されるがままだった私が解放される頃には、ペンギンさんの手元に収まる手拭いは、口紅で所々を赤く染めていた。


ありがとう…ございます?困惑気味にお礼を述べると、ペンギンさんは私の隣に腰を落ち着かせ、ミラーには…と続ける。


「少し濃すぎるな。ベースが出来上がってんだ…あまりいじるなよ?口紅以外は後でちゃんと落とした方が良い」


そう優しく微笑みかけてくれるペンギンさんに、私も化粧は苦手です。って笑えば、いつもみたく優しく頭を撫でてくれた。


「なぁミラー!!」


そんな時にシャチ登場。さっきまで甲板の端でイジけてたくせに、もう立ち直ったのか…単純め。
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