BOOK4
□No.8
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無理矢理船長に引き摺られながら着いた店で、何故か手首のサイズを測られた。
腕輪がどうの〜って言ってたけど…まさか船長、俺等の為に何か作ってくれんのかな?!
やったぁ!!ってニヤついてる所で目に飛び込んだ俺の求める“アレ”に、更にテンション上がっちまったぜ!!やほーいッ。
なんだか今日は絶好調だ!!って、そんな時にコレだもんよ。やっぱ世の中、そう上手く行かねぇのな〜。
「ひひひ…お前等の首持ってきゃあ、俺等も幹部になれるぜ」
「ゴロニャ〜ン」
覚悟しやがれ!!ですかい…腹見せながらゴロゴロ言ってるニャンコ等に囲まれながら凄まれたって、全然怖くねんだけど。
まぁ見た感じ、ザッと20人ってとこかなぁ…前回は結局不完全燃焼で終わっちまったから、今回はちょっと真面目にやるか。
「お前は下がってろ。牙は出すな」
俺がドサッとその場に荷物を置くと同時に、船長がミラーを庇う様に背中に追いやった。何だミラーはやらねぇの?
『ちょっとロー、確かに今はストック無いから戦えないけどさ…身体ならしぐらいさせてよッ』
ちょっとでも機嫌直さなきゃ!!そうミラーが息巻いてる理由は分かんねぇけど…船長が恐い顔で、駄目だ。って睨んでた。
「明日アレが完成すれば、好きなだけ暴れさせてやる。今日は我慢しろ」
強い口調で言い放つ船長にミラーは何か言いかけたけど、分かった。って大人しく下がり始めたから、本当にやらねぇみてぇだ。でもアレって何?
『あ、猫じゃらし発見!!』
ほ〜らおいで〜。なんて完璧戦闘モードから抜けて遊び始めたミラーに、俺等と向き合う野郎共がピキッ。
「なめてんじゃねーぞ!!」
そう血管浮かせると同時に突っ込んで来たから、俺も軽く構える。
けどコイツ等…
「ちっきしょー!!」
「チッ!!かすりもしねぇ!!」
よっわ?!
何の捻りもなく、ガムシャラに突っ込んで刀を振り回すだけのコイツ等にゲンなり…船長も刀で受け流すだけで、能力を使いすらしてねぇし。
ってか、え?嘘ッ!!船長が、あの船長がッ!!ちゃんと猫共避けて戦ってるよ!!意外ッ。実は船長も猫好きなのか?!
「チッ、まずはあのふざけた女を狙え!!」
意外な一面だ…って眺めてる所にそんな声。いやいや、俺等がソレを許す訳ねぇじゃん?
「お前等さぁ、喧嘩売る時は相手をちゃんと確認してからにしろ、よッ」
既に飽きてきたし、もう終わらせるかな〜って下半身に力入れて身を屈め、一気に奴等の間を駆け抜ける。
“カランカランッガシャン!!”
「い゙ッ?!…チキ、ショー!!」
「ふぅ…で?まだヤル気なら、今度は命の保証はしねぇけど?」
船長が斬り倒した奴等以外の手元に狙いを定め駆けた俺に、その手を深く斬られてもう刀握んのもシンドイだろう。
これだけ差を見せ付けられて戦意喪失しねぇなら、逆に尊敬するわ。
クッ…って苦々しく膝を付き始めた奴等を確認して、船長が未だ猫と遊んでるミラーに向き直る。
俺も、つまんねぇー!!って伸びをして荷物を拾ってる所に、どっからか苦し紛れの雄叫びが響いた。
「くッ…そぉぉぉ!!傷一つ付けられねぇまま引き下がれるかぁ!!」
俺等を無視して、ミラーにのみ向けられた殺気。
いきなりの事で咄嗟にミラーがバッと身構えたのと、叫び声を上げた野郎が懐から銃を取り出し構えたのと…それから、船長が舌打ちと共に能力を解放したのは、全て同時だった。
『えッ…?!』
“パーンッ!!”
「シャンブルズ」
「ッ?!ぐわ!!」
「ニ゙ャッ?!」