BOOK5

□No.24
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「今更言ってもしょうがねぇだろ」


はは、ははは…雑用って…何すんのかな…普段シャチがやってるような事…?


「いやそうなんだが…とりあえず、余ってるツナギを出そうと思ってるんですが、サイズが分からない。連れて行っても?」


書庫の整理…重いから嫌。帆の補整…細かい作業嫌い。機関室の整備…なんか壊しそう。風呂掃除…風呂掃除は楽しいから良いか。


「俺のコートで良いじゃねぇか」


ってか普段からそれ等の事やってるシャチは、別に罰でもなんでも無いんじゃないの?それってズルくね?


「着いてからはそれで良いでしょうが、船内では動き難いんじゃないんですか?」


ここは8割方シャチに任せて、私は洗濯と掃除中心にチョチョチョーッとやって昼寝して、夕方残りの作業やって…


「お前はどうしたい。自分で決めろ」


いや、やっぱ堂々と昼寝するのは不味いか…ベポを買収して、ローを宥めてもらうってのも手だな。アイツちゃっかりベポに甘いし。


「おい聞いてんのか」


確か部屋にチョコが…あ、駄目だアレ溶けてアメーバみたいな形になっちゃってたんだった!!ローの目を盗んで昼寝…でもバレた時ヤバいよなぁ。


「………ROOM」


そうそう絶対こんな風にヘンテコなサークルが伸びてき……へ?


『ぬわがな?!なに何?!なんすかッ?!』


現実に戻った頭で認識出来たのは、とりあえずローがスッゲェ機嫌の悪い極悪スマイルで、今にも私をバラそうとしてるって事…その理由は不明!!


「今すぐ選べ。選ばねんなら島に着くまでそのままで居ろ」


冷たい目で口元だけ笑ったローに、選べって何を?選択肢は何がありますか?なんて聞いたらきっと…いや今はそんな事より、まず選択肢が何か考えよう!!


えっと確か、私達の罰が決まって次の島まで半月で…そのままでって事は多分…


『ひ…昼寝有りパターンで、お願いします?』


“……ピキッ”


うわ違った!!ボコッて、ボコッて額に血管が!!


『ごめんなさいごめんなさい選択肢って何ですか教えて下さい!!』


キャーッ!!本当ごめんなさい!!そんな目で私を見ないで仕事内容についての質問だと思ったのー!!


「…仲良くじゃれてる所悪いが、俺も暇じゃない。とりあえず一回着てみるのが早いだろう」


なんとかサークルは消してくれたけど…目の前に威圧感タップリでしゃがみ込み、片手で私の頬を、ブニッ!!ってタコプーみたいに挟み込むローを見て、ペンギンさんが呆れ気味にそんな声を寄越してきた。


ペンギンさん、この状態は“仲良く”って言わないです…私されるがままの人形です。いや“下僕”です!!


「馬鹿な脳内変換しねぇで、ちゃんと話を聞けるか」


『あぶぃ』


「…あぁ?」


うわまたピキッってなった!!ヒィ!!


ローが妖しく笑いながら聞いてきた言葉に対する返事は、はい。のつもりだったんだけど…グイッとタコプーのまま持ち上げられた私の口から漏れたのは、何とも馬鹿にした様な声…これは私の意志じゃねぇよ?!


鋭い眼差しを受けながら弁解するかの如く、コクコク必死に何度も頷いて見せれば…やっとローはその手を離してくれた。


ふぅ…今までは海楼石無かったから余裕かましてたけど…これからは少し考えて行動しないと、いつか絶対ルフィ並みに頬っぺ伸ばされる…自重しよ。


とりあえずまずは行くぞ。そう言って付いて来るよう促してきたローの後ろを、ペンギンさんと肩を並べ黙って大人しく歩いた。
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