BOOK5

□No.26
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「船長…“アレ”をどうするつもりなんで…?」


『んんッ、ふぐ!!』


うわ聞くな、聞かないでくれペンギン!!今死刑宣告されても、心残りってモンがあり過ぎましてね?!


「…海にでも叩き落とせ」


『ふぉが?!ふぐー!!』


ノオォォォォウせんちょおぉぉ!!


本当はどっかで…実はキツい事言いつつ、最後は身も凍る程のキラースマイルで留めてくれるんだよね〜。って信じてたのに!!あれ本気じゃんマジじゃん冗談の顔してないじゃん!!


「嫌だぁぁ?!俺雑用でもって今までも雑用ばっかしてっけど、これまで以上に働くからどうか捨てな「うるせぇなお前に構ってる暇ねんだよ」…へ?」


少し黙ってろ。って、嘘だろ…船長にとって俺、既に他人?空気?!うわ泣きそう!!


『ふがふぉご?!んーッ!!んんんッ?!』


風化しそうな俺を放置して、お前もうるせぇ。そう俺同様船長に怒られたミラー…なんでアイツ口塞がれてんだ?


「はぁ…どうやらその案、ミラーの同意は得られそうに無いようですが?」


不思議な光景に首を捻る俺を船長以上に空気扱いしてるペンギンが、その額に手をやりながら力無くそんな声をあげた。


まぁ何かよく分かんねぇけど…ミラー…やっぱお前は最後の最後で俺の味方になってくれんだな!!感激ッ!!


「チッ…何でも良い。ひとまず摘み出せ」


『んんーッ!!ふぃふぅんー?!』


良いぞミラー!!もっと抵抗してくれ!!俺を助けて!!頑張れーッ!!


「はぁ…まるで招かれざる客の吹き溜まりですね」


「シャーッ!!」


俺が隅の方でヒッソリとミラーにエールを送る中、ペンギンがミラーの胸元に居座ってるあの虎猫に視線を落としたかと思えば、何故かその空間に火花がバチバチ…え、アイツ等既に険悪ムード?


「今後も客として招くつもりはねぇ…丁度良い、ソイツと一緒にあの島に置いて「客じゃねぇなら何なんだぁ?」…チッ!!」


『んんーッ!!!!』


ミラー!!もっと必死に俺の命を繋い……あれ?今船長の話遮ったの、誰?


“ガチャリ……”


え?!独りでに扉が!!えッ、なに?!


「まぁ、確かに俺は“客”じゃねぇか…」


…え?この声まさか…


『ふぉがーッ!!』


…………エーーーーッ?!


船長とペンギンが、若干項垂れながらも苦々しく見詰める扉の影から現れたのは…!!


「ああああああああにきぃぃぃ!!」


「そうだ俺は兄貴…って誰がテメェの兄貴になるかぁぁぁ!!あ、いや兄貴にはなってやっても良いけどよー。弟はいらね」


嘘でしょマジ本物?!何で兄貴が此処に?!手紙は?!牙の匂いって、まさかのご本人登場?!


どゆことーーーーーーッ!!



理解しろとか不可能!!



(あぁ!!テッメ、クソガルファー?!なんでミラーを無理矢理こうそ、く………)

(…ふひぃ?……!!)

(……な…なんて可愛いーチビッコォォ!!なんだとうとう本物マスコットまで仲間にしたってか羨ましいなチキショー!!)

(…貴様何しに来やがった……)

(いやそれよりどうやって潜り込んだ。ちゃんと説明し…おい話を聞け!!)

(フニャーッ?!)

(ミラーとマスコットのセットってマジどんだけ俺得状況コレ?!あ、ミラー久しぶり!!)

(ふんご!!んんーッ!!)

(ふざけんな離れろ)

(おい話を聞けッ!!)

(兄貴兄貴ぃ!!俺も久しぶり!!)
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