BOOK5

□No.34
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きっとローは、何でコイツ自分の兄ちゃん追い出したいの?反抗期?反抗期なの?目が合うだけで、キモーイとか言っちゃうお年頃?なーんて思ってるかもしれない。


…いや、それは流石に盛り過ぎか。


でもさっき、ローに突っ込んで聞かれなくて本当良かった。


今ばっかりは、ジギーとローが犬猿の仲でいてくれた事に感謝だね…これならすぐ追い出してくれるだろう!!


ローにはちゃんと、バラすのは駄目だって言ったし…ジギーはローに手を上げたら私が怒るの、しっかり分かってるみたいだし…うん、問題ナシ!!


「よーく分んねぇけどさぁミラー、とりあえず皆起こすの手伝えよ」


『ん?…あ"ー待って待ってシャチ!!起こしちゃ駄目!!』


ムフフ!!と望み通り回っているこの世界に、私が小さくガッツポーズを作ってたら…さっきまで死にかけだったシャチが、随分余計な事をし始めやがった。


寸での所でその行為を止めれば、ノー天気シャチは、何で?仕事あんだろ?なんてポカン。いや確かに皆でやった方が、早いし楽だけどもさ…


『ロー船長直々に、起こすな。という命が下っている。よって起こすべからず!!』


ローの機嫌を損ねるべからず!!せっかくの救世主なんだから!!


…お前のソレ、何キャラ?なんて呆れるシャチの手を取って、ひとまず衣装部屋までレッツラゴー。


『とりあえず、皆の部屋に厚手の布団運ぶ事から始めよっか。因みにこれ、私達のペナルティーなんだって』


何処行くんだよー?!なんてグダグダうるさいシャチにその目的を告げれば、うげぇマジ?って一気にゲッソリ…したのも一瞬。


「って事は次って冬島?!やった俺雪大好き!!」


…現金な奴。


『でもさー、皆ちょっと熟睡し過ぎじゃない?』


最初から起きてくれてたら、ちょっとはやる事減ったかもしれないのに…そうコッソリため息を漏らしてたらシャチが、いや昨日本当大変だったんだぜ?!なんて大袈裟に嘆き始めた。


「昨日敵襲にあったろ?!いやソレはソッコー終わったから良いんだけどよ…その後、その後がだな?!」


…うるさいなぁ。ババァじゃねんだから、そんな耳元で喚かなくても聞こえてるっての。


「兄貴起こして宴会やろう!!ってなった瞬間、船長のアレだよ…アレ!!」


『うげッ?!』


良かったー…皆起こさなくて本当良かったー。危うくこの手で敵を増やす所だったよイヤ本っ当良かったー!!


「うげぇだろ?!しかも俺等バラバラのグチャグチャでアワアワなのに、船長が甲板片付けとけとか言うんだぜ?!何回間違って自分達の手足捨てちまった事か!!」


そのたび一致団結して、身体が超絶不自由な中海に皆でだな?!って…成る程、そりゃ心身共にクッタクタだわ。


でもローがジギーを追い出す前に皆が起きちゃったら、面倒臭いなぁ…早く終わらせてくれますよーに!!
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