BOOK2
□No.47
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『ふぅ…皆に、話があるの』
やっと落ち着き、クルーから受け取った紅茶でひと息ついて、私は話を切り出した。
『私…本当に此処に居たい!!だから…皆に迷惑かけちゃうかもしれないけど…私、戦うから!!』
強く決意表明をして皆を見渡すと、何故か一同揃ってアホ面ポカーン。
「いや、そりゃ〜これからは、列記とした海賊になるんだ…でも今までもお前、戦ってたじゃん」
そう笑い出すクルー達。あッ、肝心な所スッ飛ばしてたよ…
『あのね、そうじゃなくて…前に賞金額競ってる奴が居るって言ったでしょ?あれね「“解体師【バラシヤ】”だろ?」ッ?!』
そう言葉を被せてきたのはシャチだった。余りの衝撃に周りを見渡すと、皆通常営業状態で…えッ?!何で?!
『皆知ってたの?!』
「あー、何かペンギンがそんな事言ってたからなぁ」
その言葉に、バッ!!とペンギンさんに視線を向ければ、当の本人は何やら罰の悪そうな苦笑い。
エ…エスパー怖ッ!!なに?!そんな事まで分かっちゃうの?!嘘でしょ?!?!
かいた事の無い汗を吹き出す私に、皆が話の続きを急かす。
と、とりあえず落ち着こう…ふぅ…
『ん、でね?そいつ…実は私の「ミラー」…』
今度はローが私の話を遮った。人の話は最後まで大人しく聞けよ…何なんだ全く!!
話の腰を折られまくれ、拗ねる私はホッペをブー。
「さっきも言った。お前の下船は認めねぇ」
うんうん。ちゃーんと聞きましたよソレ。
「此処に居たいと、お前自身が決めたからだ」
うんうん。だって本当に此処に居たいんだもん。
「ならば、他に何があろうがお前は降ろさねぇよ」
うんうん。
「たとえ…昔の男がお前を迎えに来てもだ」
うんう…ん?昔の男?
「お前があの男にまだ未練があろうが…アイツがお前を迎えに来ようが、それは変わらねぇ」
ん…待って、話が見えない。
「気が変わっただとかは認めねぇ。一度決断したのはお前だ」
いやいやちょっと待て?何でそんな話になってんだ?!
『あの、ちょ“ドーーンッ”うわッ?!』
私が口を開くと同時に激しく揺れた船体。
むむむーッ…今度は何だよッ!!
大事な話
(せ、船長!!海獣が船体に体当たりをッ)
(チッ…とりあえず浮上しろ)
(うぉ!!立ってらんねッ)