BOOK2
□No.48
1ページ/2ページ
“ザパァン!!”
船体が海上に出た瞬間、誰よりも興奮してたベポが、今日のご飯だーッ!!って、嬉しそうに食堂から飛び出て行った。
あの衝撃にも関わらず、余裕顔のローに支えられて何とか私は立ってられたけど…すぐ隣では、シャチが奇跡的な格好で倒れてる。
他の皆も、腰打った!!だの、ちゃんと踏ん張っとけよバーカ。だの騒いで怒鳴ってガヤガヤガヤ。
あのぉ〜、私の話を…
「キャプテン大変大変ッ!!」
そう慌てるのは、海獣と言う名の夕食を捕りに行った筈のベポ。
「すぐそこに海軍の奴等がいる!!こっちにも気付いたみたい!!多分来るよッ」
本当すぐそこッ!!なんてアタフタするベポに、ローは皆を見やり…
「やるぞ」
そう不敵に笑った。
「「「っしゃ戦闘だ!!」」」
『ちょいちょいちょーいッ!!』
まだ話終わって無いんですけどーッ?!待って待って?!皆待ってぇーッ!!
「話は終わりだ。お前の意見を聞く気はねぇ」
いや聞けよ!!
フフッ行くぞ。じゃねーよこの野郎!!絶対お前何か勘違いしてるから!!あッ、待ってー!!
いつの間にか人が消えた食堂を後にし、慌てて皆を追う私も一旦甲板へ。
するとベポの言葉通り、本当すぐ目の前に海軍船が…
『はぁ…』
はいはいはい。こーなったらチャチャッと終わらせて、今度こそ最後まで話聞かせてやるからッ。
早々と戦闘スタイルをとり、牙は敢えてまだ抜かず…私は目前まで迫った海軍船を苦々しく睨み付けた。
この溜まった鬱憤と鈍った身体…よろしく頼むね海兵さん。
『皆にお願いがあるの』
私は今にも飛び出して行きそうな、臨戦状態のクルー達に向かって声を放つ。
この船に乗ってから、初めて“本格的”に自分から仕掛ける戦闘…確かに、海賊としての船出にはピッタリかもね。