BOOK2
□No.55
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俺を殴った瞬間、ミラーが派手にブッ飛んだ。
「おいミラー?!」
「マジかよお前!!」
「考えてから動けよなーッ!!」
周りの奴等が慌てる中俺呆然。コイツの能力…めんどくせぇ!!
ミラーの腫れ上がった頬に他の奴等とアタフタしてたら、何故か外科医君がミラーを抱えてスタスタと…
「ちょ、外科医君?!お前何処行くんだコラッ」
慌てて追い掛けると、あの野郎はダルそうに、治療する。なんて言ってきやがった。
「テメェは好きにしろ」
「は?」
好きにしろってお前…ケッ、生意気な奴め。マイナス10点。
ミラーを抱えながらも軽々横付けされた船に飛び移り、船内に消えて行く外科医君。
ヒョロッ子のくせに脚力は有るんだな…プラス2点。
「まぁ〜外科医君の許可も出たし?よろしくねぇ」
こちら側に残った外科医君のクルーに笑いかければ、しゃ〜ねぇな!!って笑い返してくれた奴等を余所に、無表情で腕を組む奴が一人…アイツ、確か俺を殴った奴だよな?
「そんな警戒しなさんなッ。ミラーの仲間バラしたりなんかしないからさぁ」
手をヒラヒラさせながら言えば、認めてないんだろ?なんて返された。う〜ん…用心深い奴め。
「とりあえずは次の島まで世話んなる身で暴れたりしねぇよ」
船内でではなッ!!とは言わねぇでおこう…外科医君が不合格だった場合、島に着いた瞬間お前さん達の身体はバラバラだけどよ。
「まぁそんな心配ならコイツ、アンタが預かっててよ。ホラッ」
腰に納めた牙をベルトに付けた革袋ごと投げ渡せば、ペンギン帽は器用に2つ共宙で受け取り、分かりやすく大きなため息を漏らした。
「またこの役目か…」
「また?」
何言ってんのコイツ。
「ったく…これをお前に返すかどうかは、船長次第って訳だろ?」
「ッ?!」
まぁ、もし船長が不合格だったとしても返してやるよ。それだけ言って奴も自船へと戻って行く。
なにアイツ…
「………!!」
もしやエスパー?!