BOOK2
□No.57
1ページ/3ページ
『で…何で当たり前の様に、此処に居るの?』
因みに此処は私の部屋。
昨日はあのまま甲板で大宴会となって、ジギーが持参した良い酒を皆で軽く飲み干した。
ペンギンさんはどんどん空いてく酒瓶を見て、何か放心してたけど…
ローはそんな光景を楽しそうに眺めながらお酒を飲んでた。たまに視線が交わると、ニヤリと意味深な妖しい笑みを向けてきて…
私はローの事が好きなんだろなぁ。って、気付いたけど…別にだから何が変わるって訳でも無い…事も無いのかなぁ?
ローは私をどうしたいんだろう。降ろす気は無いって言われたけど、それ以上は特に何も言われてないし?
まぁ…いっか。考えんのも疲れたし、お酒は美味しいし、肉は大量に有るし!!なんて思ってたら…いつの間にか甲板で皆と雑魚寝してた。
しかも、ジギーに腹を枕にされて…寝苦しいと思ったらあの野郎…
で、お風呂入って二日酔いの皆と甲板の掃除して、ジギーをクルーに押し付け昼寝して…今日は平和な一日だったなぁ〜。なんて思ってた所。
『私、もう寝るんだけど』
だから?と、涼しい顔を向けてくるこの男を殴りたい…無理だけど。
『ちゃんと自分の部屋あるじゃん…ジギー』
あんなの部屋じゃねぇ。なんて怒ってるジギーに与えられた部屋は、埃まみれの用具室…そこに寝袋一つ渡され、ポーイと放り込まれたのだ。御愁傷様。
「だいたいあの野郎、一番良い酒渡したのに、酷くね?!契約違反だろ絶対ッ」
そんなジギーが、誰に対して何を怒ってるのか分からないけど…まぁ、あと数日なんだし少しは我慢しろよな。
その後も何故か私の部屋に居座り続けるジギー。
自然と、話の内容はこの5年間…互いが離れていた時間の事へ。