BOOK2
□No.68
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『…………』
「……おい」
『………はい…?』
「バレてんだよ」
『え?…いや……ぶッ……もう…無理ッ…ははははッ!!』
だって!!ローのッ!!ローの胸元にキ、キスマークが!!
しかもそれ付けたの、自分自身だしッ!!ウケる!!
「めんどくせぇ…」
あぁー、いや相当笑ったわ〜。あのローが凄い拗ねてるし…やば、可愛い!!
『残念だったねぇ。あれ?ぶぶッ、ロー君ここ、何か赤くなってるよ?』
ゲラゲラ涙を流しながら爆笑する私に、今の今まで不機嫌だった表情を妖しい笑みに変えてローが、仕方ねぇ…と言葉を投げ掛けてきた。
「次の島では、女を買うしかねぇなぁ」
『あははははッ…は…え?女?』
ベッドに足を投げ出し馬鹿笑いをしていた私の隣で、膝に肘をつき頭を支えるローが、残念だ。と楽しそうな視線を向けてくる。
女を買うって…つまりは一発、いやもしかしたら2〜3発、その人とよろしくヤるって意味だよね?…私がこんな身体だから?
まぁ、ローだって男だし、ってか有名人だし…無駄に顔は良いし?寧ろ金出すからヤらせろって女が居るレベルだよね…うっぜ。
「…早く海楼石を手に入れるぞ」
今度は私が盛大にブスくれていると、ローがポンッと私の頭に手を乗せ、優しく数回撫でた後…そっとその胸元に優しく抱き寄せてきた。
「これからも首刈りでいさせてやるよ…ただし、俺が側に居る時だけだ」
フフッ、良かったな。なんて耳元で響く柔らかい声…オイオーイ、さっきの話はどこ行ったんだよ。
『女は、買わないの?』
…あれ、声が震えてるぞ?
「フフッ…お前以外抱く気なんざねぇよ」
安心しろ。そう笑ってローは唇を合わせてきた。何度も、何度も。
ローの温もりを感じる度、お腹の辺りにズシッと居座っていた何かが軽くなっていく。
『ムカつく…』
「フフッ…お互い様だろ?」
愛しすぎて
(何であの海楼石捨てたのさ…)
(…黙れ)