BOOK2

□No.68
1ページ/1ページ



『…………』


「……おい」


『………はい…?』


「バレてんだよ」


『え?…いや……ぶッ……もう…無理ッ…ははははッ!!』


だって!!ローのッ!!ローの胸元にキ、キスマークが!!


しかもそれ付けたの、自分自身だしッ!!ウケる!!


「めんどくせぇ…」


あぁー、いや相当笑ったわ〜。あのローが凄い拗ねてるし…やば、可愛い!!


『残念だったねぇ。あれ?ぶぶッ、ロー君ここ、何か赤くなってるよ?』


ゲラゲラ涙を流しながら爆笑する私に、今の今まで不機嫌だった表情を妖しい笑みに変えてローが、仕方ねぇ…と言葉を投げ掛けてきた。


「次の島では、女を買うしかねぇなぁ」


『あははははッ…は…え?女?』


ベッドに足を投げ出し馬鹿笑いをしていた私の隣で、膝に肘をつき頭を支えるローが、残念だ。と楽しそうな視線を向けてくる。


女を買うって…つまりは一発、いやもしかしたら2〜3発、その人とよろしくヤるって意味だよね?…私がこんな身体だから?


まぁ、ローだって男だし、ってか有名人だし…無駄に顔は良いし?寧ろ金出すからヤらせろって女が居るレベルだよね…うっぜ。


「…早く海楼石を手に入れるぞ」


今度は私が盛大にブスくれていると、ローがポンッと私の頭に手を乗せ、優しく数回撫でた後…そっとその胸元に優しく抱き寄せてきた。


「これからも首刈りでいさせてやるよ…ただし、俺が側に居る時だけだ」


フフッ、良かったな。なんて耳元で響く柔らかい声…オイオーイ、さっきの話はどこ行ったんだよ。


『女は、買わないの?』


…あれ、声が震えてるぞ?


「フフッ…お前以外抱く気なんざねぇよ」


安心しろ。そう笑ってローは唇を合わせてきた。何度も、何度も。


ローの温もりを感じる度、お腹の辺りにズシッと居座っていた何かが軽くなっていく。


『ムカつく…』


「フフッ…お互い様だろ?」



愛しすぎて



(何であの海楼石捨てたのさ…)

(…黙れ)

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ