BOOK2

□No.69
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あれから私はすっかり元気になって、今まで通り皆と楽しく旅を続けてる。


ローは自作の増血剤が思ってたより効果を出したらしく、一日一回抜く血の量も、少し増やしてくれる様になった。毎晩、寝る前に…


私の部屋はいつの間にか、元の物置部屋へと戻り…今ではローのベッドで朝を迎えてる。


“ジーッ”


「…見すぎだ」


『あれ?起きてたんだ。ふふ、おはよ』


朝の挨拶をすると、ローはゆっくり片目を開け、私を抱き寄せてキスをしてこようとした。


『だッ、駄目!!まだ駄目!!』


近づいてきたローを押し返し、全力でキスを拒否。このやり取りも既に数回してるんですけど…


「チッ…俺は気にしねぇって言ってるだろ」


いやムリむり無理ッ!!私、寝起きで絶対口粘ってるから!!臭いからッ!!だから顔を洗わせて!!


『いやぁぁあ!!お願いッ!!顔を洗わせてってばぁぁぁ!!』


ギャーッ!!と全力でベッドから降りようと暴れる私を、後ろから羽交い締めにするロー…絶対コイツ楽しんでるから!!


「フフッ…朝から元気な奴だな。だがそれも今だけだ」


海楼石が手に入ったら覚えとけよ…そう耳元で妖しく笑い、ローは起き上がった。


『………』


私、海楼石要らないかも…ははは。


「さっさと起きろ。顔洗うぞ」


へいへい。


2人並んで顔を洗い、それからやっとキスをする。


余裕面なローがムカついたから、私から首に腕を回して、思いっきり体重を掛けてやった。


「フフッ…お前、今日もやるのか?」


それでもコイツは余裕面。くそう…


『ん、そろそろ騒いでる頃だと思う』


困った兄貴だな。そう笑うローに再び軽く唇を合わせる。


行ってこい。って私の背中を押すローは、あの困った笑顔。


私は着替えてローの部屋を後にした。


あれから増えた私のもう一つの日課…


「おぉ〜いたいたッ。ミラー甲板行くぞ!!」


それはシャチとの手合わせッ!!
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