BOOK2

□No.73
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暗くなる前から、甲板で盛大に、皆とワイワイ盛り上がった。


月灯りが周囲を照らす頃には、皆結構出来上がってたからね。


私も、前半は皆と一緒に馬鹿騒ぎ。


そして今は…この前ペンギンさんに教えてもらった、激ウマ魚をベポに捕ってもらい、それをツマミに、チマチマお酒を飲んでる。


『ふわぁ〜…』


いかん、眠くなってきた…本当皆、よく飲むなぁ。うわぁシャチの奴、完璧酔っ払いだよ!!ツナギ破けてるしッ、何故に?!


「部屋に戻る」


重くなってきた瞼を擦りながら、甲板の隅でそんな皆を観察してたら、隣に居たローから、そんな声が掛けられた。


『あいよ〜』


丁度お酒も飲み干したし、私も一緒に行くかなぁ…と、腰を上げようとした瞬間、何かフワフワ浮遊感が…あれ?私、そんな呑んだっけ?


いつもより、ローの顔が近いぞ?ってか私、脱力しまくってんのに、何故か景色が流れていってる?んー?


『ロー?私ちゃんと、自分で歩けるよ?』


何度確認しても、私は今、ローに抱き上げられてる…って答えしか出なかったから、確かな口調でローにそう言うも…


「フフッ、だから何だ?」


コイツは、私を降ろすつもりは無いらしい。


部屋に入ると、私をベッドに降ろしたローが、パーカーを脱ぎ出した。わーお、良い身体ですこと。


「フフッ…そんな顔するな。今はまだ、抱かねぇよ」


どうなるか分かんねぇからな…そう言って私を抱き締めるロー。


じかに感じるローの温もり…


『ごめんね…こんな身体で…』


私だって、ローと先に進みたく無い訳じゃない。


もっと強くローを感じたいし、ローを愛したい…でも私の能力じゃ、何処で違和感を覚えるか分かんないから…


「何だ、お前も溜まってんのか?」


フフッ。なんて笑うローを鼻で笑ってやった。


デレカシーの無い奴め…もう寝てやろう。そう思ってたら、ローが真剣な声色で、私の名前を呼んだ。


「お前…いや、何でもねぇ」


途中で止めたローは、誤魔化す様に私にキスをしてくる。何だよ、気になるだろ!!


『なんッ?!』


私が文句を言ってやろうと口を開けば、その隙間から、今度はローの舌が侵入してきて…それはどんどん、深いものへと…


突然の感覚に驚く私を余所に、ローは体勢を変え、私に覆い被さってきた。


未だ2人の唇は離れず、快楽を増すそれに、甘い息が漏れる。


「クソッ…ムカつく」


いきなり中断したローがそう悪態つき、今度は触れるだけの、優しいキスを落としてきた。


『…ロー?』


この男が、何に対し怒ってるのか分からない。


もしかしたら…本当に私の能力に、限界が来てるのかも…ヤバくね?女買っちゃうかもじゃん。
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