夢扉

□分かれる道の行く末は T
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「マジで言ってる?」


『本気と書いてマジと読む』




あぁ、じっと見てきたのは、疑っていたのか。なるほど、と頭の片隅で理解する。
理解している間に、ヒトトキは、zの返答にガクッとうなだれた。




「(間違ってつれてきたのは俺だしな…)まぁ、いいか」


『やった!ほんとにいいの!?』


「あぁ、だからほら、受け取れ(指輪でいっか)」




ヒトトキが、どこからか指輪を取り出し投げてよこした。その指輪は白と黒、そしてレモン色と灰色の宝石が埋め込まれていた。




『これは…?』


「世界を渡るときに必要なものだ、ぜっっっったい!なくすなよ」


『ん、うん』


「よし、じゃぁそれについて説明するからよく聞いとけよ」


『うぃっす』





・・・+




『ふーん、つまり、世界を渡るときは指輪をはめ、その世界の名前を言いその後「我、時を越えし者」っていうんだ。で、宝石一つ一つの能力は、白が時を戻し過去へいける。黒は白とは逆で時を進める、つまり未来へ。レモン色は世界の移動、灰色は黒か白を使った場合、元の場所に戻れるってことで、よかったよね?で、白と黒は、より明確な場所を言うとそこに着くっと、…合ってる?』


「あ、あぁ(このヤロー、俺が数十分かけてした説明をさらっと簡単にまとめやがった)」


『サンキューな、ヒトトキ。じゃ、いくわ』


「ぅおい!ちょっとまて!」


『ん?』




別れを告げ早速いこうとするzを、ヒトトキはガシリとzの肩をつかんだ。




「そう急ぐな、お前なんかつけたしないの?」


『つけたし?』




zは首をかしげた。




「例えば、強さ。最強だったり、色んな力が使えたりとか…まぁそんなとこだ」


『ふーん、強さ…ねぇ?うん。じゃ最強にして。あと重力を軽減させて体を軽く、あー、あと武器とかの使い方とか脳に直接入ってくるようにしてくれるとうれしい。それと能力なんだけど、影的なものが欲しいんだ。武器とか色んなものを自由に取り出せて、指を鳴らすと影が出てくるとか…できる?』


「・・・」




遠慮なしにマシンガンのごとく話zは、唖然。




「…わ、分かった、やろう。それじゃいいぞいっても、ちゃんとやれよ」


『もちろん、…なぁ、ヒトトキ』


「ん?」


『また、会える?』


「!」




さっきまで、しんみりした様子もなかったzが、急に声を落としささやくようにつぶやいた。




「…あぁ、あえるさ、zが呼ぶのなら」


『そっか、じゃ、またねヒトトキ』




zは嘘偽りのない笑顔でヒトトキに手を振った。zが言葉をつぶやき始める。


『---我、』


「…z!お前さ本当に笑ったほうがかわいいぞ!!」


『っ!』





zはヒトトキがいった言葉に赤面した。言葉をつぶやいてる時に何を言うんだ!!と叫びたいのを必死にこらえ言葉を言い切る。





『時を越えし者…っヒトトキ』


「?」


『ありがと』





zはその言葉と共に消えていった。
そして、空間に一人、ヒトトキは笑みをこぼすのだった。





「どういたしまして」





end.

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