May love Democracy
□5月の恋愛デモクラシー
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『お前、そーとー変態』
「ありがと」
5月の連休明けの月曜日。講義をサボってふらふらしてたら、そいつに出会った。
その男は二十代前半くらい。
ほんの少し長めの髪で、薄手のニットの下に細身のブラックジーンズをはいて、俺がずっと欲しかったアルフレッドバニスターの黄色いスニーカーを履いていた。
別に何てことない、ただ普通にカッコイイ奴だった。
そして、なぜ俺が変態なのか。
そもそも変態の定義がよく分かんないけど。
『いつもこんな事やってんの?』
「こんな事って?」
『いや…つーか、この状況でその返しおかしいだろ』
例えば、真っ昼間の公園のトイレで、出会ったばかりの男のモノをしゃぶる行為が変態ならば、今の俺は確かに変態。
『さっきの撤回。お前、慣れてねーだろ』
男は下げていたズボンを上げると、俺の髪をくしゃっと撫でた。
「イったくせに」
『俺はイこうとおもえば下手な奴相手でもイケんの』
「俺、下手だった?」
『テクだけで言うならド下手。犬のほうがまだ上手いんじゃね?』
俺がこの世で一番嫌いなものは、“この世”だ。
だから、
「ねぇ…、一緒に暮らさない?」