World conquest in March
□3月世界を征す
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男はキライ。
だって気持ち悪いでしょ
筋肉ばっか発達して手足とかごつごつしてんの。
指とか妙に長くて、関節だけ骨張ったりしてて。
でもね、アタシはどんな手を使っても所詮女だから。
だから男が必要なの。
分かる?
『美雨!午後の講義、休講だって』
「知ってる」
大学に入って一番最初に仲良くなったのが和也だった。和也は男のくせに妙にキレイな容姿してて、白い肌とか赤い唇とか折れそうに細い腰とか
全部、全部アタシの理想だった。
でも、和也は──
『美雨、何か食べに行こうよ』
「いいけど、真弥は?」
『真弥はバイト』
「単位大丈夫なの?」
真弥は、和也と同じく大学に入って出来た友達。
アタシと和也と真弥は同じ学部で、選択している講義もほとんど同じだからアタシ達3人はいつも一緒にいる。
『大丈夫じゃない?真弥テストは完璧だし』
「そうだね」
『せっかく休講になったことだし、真弥のバイト先行こうよ!あそこのボルシチ最高だし』
真弥はスープ屋さんでバイトしている。
ちょっとオシャレなスープカフェ。和也は何かと理由をつけてはそのスープ屋さんに行きたがる。
だって和也は、真弥に恋をしているから。
と、その前に一つ重要なことがある。
和也はゲイだ。