Youth of November
□11月の青い春
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──年の若い時代、
人生の春に
例えられる時期
『だーかーらー!』
「うるせー…」
『俺たちは今、青春真っ只中なわけよ!』
面倒なことは嫌い。
訳わかんねー数字と仲良くするつもりもない。
つまんねー事で熱くなったり、泣いたり笑ったりするのも、なんかね、
「お前何持ってんの…」
『広辞苑』
「……あそ。じゃ、」
『待て、ハゲ!』
「あ゛?」
何が青春だ。
そんな言葉に騙されるほどボケちゃいねーよ。
“家で寝てるのが一番”そう言ってしまえば大体の奴らは納得するさ。
『いいか!青春とはだな、年の若い時代。人生の春に例えられる時期のことを云うんだ!』
「うちの母親、あたしはまだまだ若いわよーとか言ってるけど?」
『だーかーらー、年が若い時代!まさに俺たち!』
適当に時間潰して眠くなったら寝る。
それでいーじゃん。
「五行思想、」
『は?』
「青春なんて言葉に意味はねーよ。元は五行思想の春の異称」
『五行、思想?』
古代中国の自然哲学。
万物は木・火・土・金・水の5つの元素から成るという説。
そして春は青、夏は赤、秋は白、冬は黒(玄)
「朱夏、白秋、玄冬、そして青春」
『何だそれ‥』
「だから青春は単に季節を示す言葉ってこと」