Stairs in September
□9月の階段
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学校の友達は、みんな明るくていつも笑っていて
誰と誰が付き合っているとか
誰とセックスしたとか
くだらない事には敏感で、だけどとても楽しそうに笑います。
『ねぇ!聞いた?』
『なになに?』
『明日から教育実習
来るんだって』
放課後のファーストフードは彼女達の聖地で、
なんとなくアタシもそこに居るけれど、やっぱり違和感は拭えません。
『教育実習って男?』
『男がいいー』
『格好いいの希望』
『分かる分かる!』
目の前を飛び交うくだらない会話に、アタシはいつもついていけなくて
『絶対、男がいい!
ね、カノン』
「あー、そうだね」
別にどっちでもいいと思うアタシは、おかしいのかな。
恋愛とか興味ない
わけじゃないけど
分かんないわけ
じゃないけど、
なんか、そこまで熱くなれないっていうか…
『ねぇ、この後
カラオケ行かない?』
「あ、ごめん。最近うちの親うるさいから今日はやめとく」
なんか、これ以上はさすがに疲れるので、適当な理由をつけて一人で先に帰りました。